魏(ぎ)・呉(ご)・蜀(しょく)の3つの国の戦いを描いた歴史読み物「三国志」。
日本でも根強い人気があり、小説はもちろん、ドラマ・ゲーム・アニメなどさまざまな作品が生まれている。
この三国志に呂蒙(りょもう)という武将が登場する。
昔から武勇一辺倒で、教養とは無縁だった彼。
しかし、そんな彼は主君の孫権から教養の大切さを説かれ、一念発起して勉学に励む。
そして、短期間で儒学者にも勝るほどの知識を身につける。
その後の呂蒙は、勇敢であると同時に軍略を知る武将と評された。
「士別れて三日なれば刮目(かつもく)して相待すべし。」
=男は3日見なければ驚くほど成長するから、先入観を捨てて相対するべし
という有名な故事成語は、ここからきている。
これはバドミントンという勝負の世界に身を置く者として、肝に命じておきたい言葉だ。
過去に負けたことのある相手と戦うとき、私たちは入念な準備をしてゲームにのぞむ。
しかし、一度勝った相手に対しては驚くほど無関心であることが多い。
だが、真に警戒すべきはこの「勝ったことのある相手」なのだ。
こういう相手は、前回の雪辱を晴らすべく、それこそ万全の準備をした上でゲームにのぞんでくる。
「一度勝っているから」などという気持ちで勝負を挑めば、痛い目を見ることになりかねない。
ましてやバドミントンは戦略のスポーツ。
多少の実力差はあっても、戦略1つで勝敗がひっくり返ることも珍しくない。
そして戦略は技術や体力と違い、考え方を変えるだけで身につけることができる。
極端な話、3日どころか1日会わなければ、強敵に変貌している可能性だってあるわけだ。
過去の戦績がどうであれ、体力や技術で勝っていようと、勝負に勝てる保証にはならないのだ。
栄光の舞台で勝利をつかめるかどうかは、どれだけの準備をしたかにかかっている。
つまらぬ油断で、足元をすくわれないようにしたいものだ。
■ 今日の格言 「ベテランのバイブルは三国志」