クロスに返せない人の悪い癖

クロス

バドミントンの基本はストレート返球。

しかしそこにクロスの返球を加えれば、プレーの幅はグッと広がる。

だが、飛んできたシャトルを対角線上に打ち返すだけのことなのに、これが難しい。

順平も、その難しさに悩む1人だった。

スポンサード リンク


「よし、いくか。」


順平は緊張の面持ちで立ち上がった。

今日のゲーム練習のパートナーは、サーブリターンの達人、ミチルだ。

不甲斐ないプレーをすれば何を言われるかわかったものではない。


この日の順平は1つの決心をしていた。

それは、「どんな球もすべてストレートで返球する」ことだった。


ただ斜めに打ち返すだけのことだとは思うのだが、なぜか思うように返せない。

無理やり打つと、コントロールは乱れ、力のないチャンスボールが返ってしまう。


ゲームは中盤まで、特に問題なく進んだ。

順平もこれといったミスはしていない。


だがしかし・・・

ミチルが突然ゲームを止めた。


「ちょっと新人君。あなたなんでストレートばっか打つの?」

「ミチルさん、まだ試合中ですって!」

「練習なんだから細かいことは言わないの!それより何で?サーブリターンは一番大切なのよ!わかってる?」


確かに相手は、ストレート一本槍の返球に慣れてきていた。

しかし、クロスは・・・自信がない。

順平はそのことを正直にミチルに打ち明けることにした。


「すみませんミチルさん。僕、クロス返球は自信なくて。」

「じゃあストレートなら自信があるんだ。あのお粗末な返球に自信があるなんておめでたいわね。」

「うぅ。」


いつも聞かされて慣れているはずなのに、ミチルの毒舌にはいつも傷つく。

ミチルは、仕方ないといった表情で軽く首を振り口を開いた。


「超ど素人だし打ち込みたい気持ちはわかるけど。」

「そこまで言わなくても・・・」

「半身でクロスリターンなんかできるわけないでしょ!」

ポイント

スマッシュなど強打を打つときに取られる半身の構え。

ラケットを持つ手の方の足を引くことで、体のひねりを加えたスイングができます。

しかし半身の構えは、クロス返球をするためのスイングがやりにくい構えでもあります。


クロスで打ち返しやすいのは、体を正面に向けた構え。

両足の位置がネットと並行になるよう意識してみてください。

自然にストレートにもクロスにも対応できる構えをとることができます。


サーブリターン以外にも、レシーブの際、相手に押されると反撃しようという気持ちが強すぎて知らないうちに半身になってしまうことがあります。

クロスが打ちにくいと感じたら、構えを意識してみましょう。


スポンサード リンク

関連記事