「成金」という言葉がある。
急にリッチになった人のことをこう呼ぶが、もともとは将棋用語だ。
「歩」や「香」など、下位の駒が「金」と同じ階級に変化することからきている。
成金した駒の動き方は、金と同じになる。
そして、成金をするかどうかは、棋士の判断に任されている。
こう書くと、下位の駒は成金した方が良いように思える。
しかし、将棋の上手い人の場合、あえて成金しないことも多い。
それは一度金になってしまうと、その駒特有の動きができなくなってしまうからだ。
特に「桂」は、そのトリッキーな動きができなくなるので、慎重な判断が必要になる。
プロ棋士同士の対局だと、それだけで長考することも珍しくない。
一概に、下位駒が金より劣るとはいえない。
もっと言えば、局面によっては駒の花形である飛車や角より、歩の方が役立つことだってあるのだ。
バドミントンのショットにも同じことが言える。
自分のコンディション・パートナーとの相性・相手のタイプ・ゲームの展開など・・・
有効打は状況に応じて変わってくる。
しかし、初・中級者には、「難しいショットほど良い」と、難易度だけで優劣をつけている人が意外に多い。
将棋の駒と同じように、バドミントンのショットにも絶対的な優劣はない。
有効打になるかどうかは、その使い方で決まるのだ。
■ 今日の格言 「バドミントンが上手い人は成金に慎重」