ダブルスが強い前衛は動かない

前衛

よりレベルの高いバドミントンプレーヤーになりたい。

順平の挑戦は続く。

だが、そんな順平に前衛マエストロ元木は・・・

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「よっしゃ!」


前後に振られる意地悪な配球にもあきらめずに飛びつく順平。

その気迫にチームメイト達が感心の声を上げる。


「すげぇな順平。アレを取りに行くか・・・」

「僕ならあんな振られ方したらあきらめちゃうのに・・・順平さんすごいなぁ。」


そんな声に緩みかける顔を慌てて引き締める順平。

まだまだ、この程度で満足してちゃダメだ。

もっと守備範囲を広げて、相手に嫌がられる前衛にならなくっちゃ!


そんなある日。

インフルエンザで休んでいた元木が練習に戻ってきた。

さっそくゲーム練習の相手に指名する順平。


「久しぶりで感が鈍ってるしなぁ。まっ、順平がどれだけ上手くなったかお手並み拝見といきますか。」


そう言って笑う元木。

だが、目は笑っていない。

負ける気などさらさらないのだろう。


やがてゲームが始まった。

ブランクなど全く感じさせない元木のプレー。

巧みな配球で、順平とパートナーの間を突いてくる。


だが、順平も負けてはいない。

足を精一杯動かして食い下がる。


・・・だが。

順平の努力は実らない。

最初こそ均衡したゲームが続いていた。

しかし、徐々に失点が目立つようになってきた。


(今日は勝てると思ったのに・・・)


ブランクがあっても、やはり元木は強かった。

そんな元木に、賞賛の声をかける順平。

だが・・・


「さすが元木さん。そうカンタンには勝たせてくれませんね。

「何言ってんだよ!お前、俺が休んでいる間に何やってんだ。」

「え?」

「変な体勢で無理やり打ったり、取れもしない球に飛びついたり、無茶苦茶じゃねえか!」

ポイント

確かに守備範囲の広い前衛は、相手にとって脅威になります。

でも、どんな球でも取れば良いというほどバドミントンダブルスは単純ではありません。


特に経験の浅い前衛は、とにかく守備範囲を広く取ろうとします。

しかし、闇雲に守備範囲を広げようとすると無理な体勢でのレシーブが多くなります。

これでは、ミスショットが増え、相手にとってのチャンスボールを量産することになってしまいます。

特に後ろに下がりながらの返球は、球威もなくなりますから後衛に任せるべきです。


前衛が闇雲に守備範囲を広げる弊害は、これだけではありません。

それが後衛との連携ミス。

前衛が取れるかどうかわからないという状態は、後衛にとって大きなストレス。

こんな状態では、後衛も十分な働きができません。

後衛は、前衛が狭くても確実な守備範囲を明確にしてくれる方がやりやすいのです。


振り返らなくても後衛が把握できるコツ」でも紹介したとおり、前衛はその時々の状況判断で最適な動きをすることが大切です。

自分の前衛がペアの首をしめていないか、日々確認するようにしましょう。


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