振り返らなくても後衛が把握できるコツ

前衛後衛

前衛と後衛のコンビネーションが勝敗に大きく影響するバドミントンダブルス。

特に前衛は、後衛の状況を常に把握し、その時々で最適な動きをしなければならない。

経験を積むしかないのはわかっているのだが・・・順平は焦っていた。

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「順平さん、ポジションチェンジが遅いですよ。」

「ご、ごめん。」


パートナーを務めてくれた後輩に怒られる順平。

今日のゲーム練習の敗因ははっきりしていた。

順平の攻守の切り替えが遅かったからだ。


通常、ダブルスの場合、攻めているときは前衛と後衛のトップ&バック。

守るときは横並びのサイドバイサイドで対応するのがセオリーだ。


しかし、後衛の動きが把握できなかった順平はこのポジションチェンジが遅かった。

それで負けてしまったのだ。


順平は考える。

いちいち後ろを振り返るわけにもいかないしなぁ。

経験を積んで第六感を磨くしかないのかなぁ。


となりのコートでは、前衛マエストロ元木の試合が終わろうとしていた。

相変わらず見事な前衛だ。

しかも、順平がこれほど苦しんでいることを軽々とやっている。


後衛が攻める体勢の時にはネット際に、そうでないときはいつでもサイドバイサイドに切り替えられるようポジションを変えている。


自分にはあんなこと、とてもできる気がしない。

そもそもいくら経験を積んだって僕にあんなことできるのか?

深い溜息をつく順平。


「順平、何暗い顔してるんだよ。」


顔を上げると試合を終えた元木が立っていた。


「元木さんには僕の苦労、わからないでしょうね。」

「あん?何言い出すんだ?突然。」

「だって元木さんは超能力者だから。」

「は?」

「後ろに目が付いているんでしょ?」


話が見えない元木。

ようやく理解したのはそれからしばらくしてからだった。


「ははは、そういうことか。そりゃ大変だな。」

「ご理解いただけて幸いです。」

「でもな。俺にも後ろに目なんかないぞ。」

「じゃあ、やっぱり第六感ですか?」

「うーん、経験でなんとなくわかるってのは確かにある。でも、せっかく前に目が付いてるんだから、もっと前をよく見たらどうだ?」

ポイント

バドミントンダブルスのコンビネーションを高めるのはそうカンタンにできることではありません。

それなりの経験が必要になります。


ただ、ある程度までなら、後ろを振り返らなくても後衛の状態を把握する方法があります。

それは、相手のフォーメーションを見ること。


相手がサイドバイサイドでがっちり守りを固めているなら、こちらの後衛も攻める余裕があるものと予想できます。

後ろは後衛に任せ、ネット際でプレッシャーをかけることに専念しましょう。


逆に相手がトップ&バックの体勢に入りそうならば、こちらが攻めていても後衛は苦しい状況だと予想できます。

いつでもサイドバイサイドに切り替えられる準備が必要です。


バドミントンはとても展開の速いスポーツです。

わずかな変化を見逃さず、一瞬の状況判断で適応していきましょうね。


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