「球をよく見ろ。」
「ボールをよく見ろ。」
野球、サッカー・・・どの球技でも指導者が口を酸っぱくして教えること。
もちろんバドミントンだってそうだ。
速い球を正確に捉える、打ち返すためにはシャトルを良く見なければいけない。
しかし、どれだけ見ても良い結果に結びつかない人もいる。
そう、今回の順平のように・・・
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「球をよく見ろ。」
「ボールをよく見ろ。」
野球、サッカー・・・どの球技でも指導者が口を酸っぱくして教えること。
もちろんバドミントンだってそうだ。
速い球を正確に捉える、打ち返すためにはシャトルを良く見なければいけない。
しかし、どれだけ見ても良い結果に結びつかない人もいる。
そう、今回の順平のように・・・
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「ううっ・・・」
後衛のスペシャリスト、大垣がなかば呆れたような表情で言った。
「それくらいのスピードだったら、ただ返すだけじゃなくて攻撃に持っていかないと。」
「そ、それくらいのスピード・・・ですか・・・」
順平はそれだけ言うのが精一杯だった。
本当は「どこがそれくらいだーーー!メチャクチャ速いじゃないですか!!!」と叫びたい。
むしろ何とか拾えたことを褒めて欲しいくらいだ。
これを攻撃的に打ち返すなんて・・・
大垣の話は続く。
「順平ちゃん。もっとシャトルを良く見なきゃ。これバドミントンの常識!」
「・・・」
「これしきのことでひるんでちゃ、鍋敷きに笑われるぞ。あ、僕この前カワイイ鍋敷き買ったんだ♪」
いくら温厚な順平でもさすがに腹が立ってきた。
大体、「これしき」と「鍋敷き」って無茶にも程がある。
「大垣さん、僕だってちゃんとシャトルを見てますよ。」
「ほう、どんなふうに。」
「いや、ですからしっかり見るように意識してますって。」
かみ合わない会話に、大垣は首を振った。
「順平ちゃん。そういうのはしっかりって言わないんだよ。」
「?」
「しっかりってシャトルのどこを見てるのさ。コルク?羽根?かがり糸?」
「えっ・・・」
「何となくシャトルを見ている限り、速い球はいつまでも速い球のままだよ。」
ポイント
以前、こんなお話をしたのを覚えているでしょうか?
【 おてがるコントロールアップ法 】
サーブの時、狙いを点で意識することで集中力が上がり、コントロールが良くなるというお話でした。
これは飛んでくるシャトルを見るときにも言えること。
一流の野球選手が「球が止まって見える。」、「ボールの縫い目が見える。」と言うのは、元々の素質や練習のおかげというのもありますが、何よりも、それだけボールの一点に集中しているからできることなのです。
たとえばスマッシュを打たれたとき、シャトル全体ではなく、コルクの先端を見るように意識してみる。
たとえばネット際のヘアピンを受けるとき、シャトルがどれくらいのスピードで回転しているのかまで見てみる。
それだけでシャトルに対する反応が変わってきますよ。
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