社会人バドミントンチームの新人 順平。
今はショートサーブに取り組んでいる。
教科書を片手に取り組んではいるものの、実戦で効果的なショートサーブはなかなか打てない。
行き詰まった順平は、クリス花柳に助けを求めるが・・・
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社会人バドミントンチームの新人 順平。
今はショートサーブに取り組んでいる。
教科書を片手に取り組んではいるものの、実戦で効果的なショートサーブはなかなか打てない。
行き詰まった順平は、クリス花柳に助けを求めるが・・・
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サービスラインギリギリに決まらないのだ。
手を変え、品を変え試してはみるのだが、何度打っても伸びてしまう。
これでは、相手を効果的に崩すことはできない。
愛用のバドミントンの教科書を見ても、書いてあるのは
「ショートサーブは浮かさず、伸びないように打とう。」
の1行だけ。
それが出来ないから苦労しているのだ!
行き詰まった順平は隣のコートにいるクリス花柳を見た。
彼の放ったシャトルはまさにライン上にピタリ。
もはや芸術である。
ゲームが終わるのを待って、順平はクリスに声をかけた。
「花柳さん、どうしたらあんなにキッチリ、ラインギリギリにショートサーブが決まるんですか?」
「君、クリスと呼んでくれたまえ。」
クリスは少し不機嫌そうな顔をした。
彼は名字で呼ばれることを嫌う。
本人曰く、エレガントじゃないからだそうだ。
気を取り直し、同じ質問を繰り返す順平。
機嫌を直したのか、笑顔を見せるクリス。
「何でコントロールが悪いかって?そりゃ、君がラインを狙っていないからさ。」
「狙ってますよ!」
「どこを?」
「だからサービスラインですよ!!」
ムキになる順平。
それを聞いたクリスは、逆にこんな質問をしてきた。
「じゃあ聞かせてくれ。サービスラインのどこを狙ってるんだい?」
「へっ?いや、何となくライン上ですけど・・・」
「オーマイガッ!それじゃ決まるわけないじゃないか。」
何度考えても、クリスの言葉の真意は見えない。
混乱する順平に、クリスは優しく言った。
「サービスラインをよーく見てみな。狙うべきポイントが見えてくるから。」
その後始まったミニゲーム。
クリスの言いつけを守り、サービスラインをじーっと見つめる順平。
しばらくすると・・・かすかだがたしかに、サービスライン上に小さな黒い点が見えてきた。
もしや、これがクリスさんが言っていた狙うべきポイント?
放たれたサーブは、ピタリと決まった。
やった!!
その後も快調にサーブを決める順平。
コートの脇には、満足そうな表情のクリスがいた。
その右手には黒いマジックペンが握られていた。
ポイント
ストーリーで取り上げられた方法は、ある実験の結果が元になっています。
とても有名な実験で、野球やアーチェリーといったバドミントン以外の競技にも取り入れられています。
まず被験者に、的に向かってボールを投げてもらい命中率を出しました。
その後、的の中心に点をつけて、同じ被験者に、その点を狙って投げるように指示したところ、命中率が大幅にアップしたのです。
点を意識すると集中力が高まり、コントロールを良くすることができます。
もちろん、このテクニックは、サーブ以外にも応用できますよ。
ただ、ラインばかり見ていると狙いどころが相手に読まれてしまいます。
ご注意ください。
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