プレーヤーの強みが伸ばせる指導とは?

指導

メンバーを、そしてチーム全体を強くするためには、指導者がひとりひとりの「強み」をどう扱うかが重要になります。

強みを把握し、適切に伸ばす指導ができれば、プレーヤーはその力をフルに発揮できます。

しかし、間違った「強み」からスタートしてしまうと、指導が逆効果にもなりかねません。

ではどうすれば良いのか・・・

ストーリーをどうぞ。

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少し前まで5時を過ぎれば暗くなっていたのに、最近は少しずつ日が長くなってきた。

もう桜の季節も目の前だ。


岡崎は、体育館で練習を見ながら、花粉症に苦しんでいた。

目は充血し、くしゃみが止まらない。


(明日は土曜日だし、病院行こうかな・・・)


そんなことを考えていると、ひとり元気のない部員が目に止まった。

バドミントン部を束ねる部長の岸田である。

見かねた岡崎が声をかける。


「おい、どうした岸田?」

「あ、先生・・・」


話を聞くと、1年生の指導に悩んでいるという。

ひとりひとりの話を聞いて、その強みを活かすプレーや練習を提案するのだが、思ったように伸びないらしい。


「先生、俺、『指導力のない頼りにならない先輩』って思われてるんじゃないでしょうか。」

「うーん、どうだろうなぁ。」

「先生、誰でもカンタンに人の強みを活かせるようになる方法を教えてくださいよ!」


(・・・そんな便利な方法があるんなら俺が知りたいよ。)


岡崎は、心の中で苦笑した。

まあ、放っておく訳にもいかないか。

思い直した岡崎は、話を切り出した。


「お前は自分の強みって何だと思う?」

「えっ?明るいところですかねぇ。」

「あはは。バドミントンのプレーの中だとどうだ?」

「・・・やっぱりクロスのスマッシュじゃないですかね。」

「なるほど。でも知ってるか?お前が一番点を取ってるのはドロップなんだぞ。」

「え?そうなんですか?」


意外な事実を告げられて驚く岸田。

岡崎は話を続ける。


「お前、1年たちに話を聞いて・・・って言ってたよな。」

「はい。」

「でも、自分の強みをきちんと把握してる奴なんてほとんどいないぞ。強みを見るときは、本人の好き嫌いを見てはダメだ。」

「・・・」

「どんなことでパフォーマンスを発揮しているか。周りに良い影響を与えているかが大切なんだ。」

ポイント

指導の基本は、プレーヤーに正しいゴールのための正しいスタートを切らせることです。

本人は得意だと思っているけれど、実際の強みは別にあった。

そんな状態がスタートだったらゴールは・・・想像するまでもありませんよね。


では、もし客観的に出された強みが、そのプレーヤーの好みではない場合はどうでしょう?

好きなことをさせた方が、プレーヤーのやる気が高まるのは確かです。

でも、最後に笑うのはどちらか、長い目で見ればわかりますよね。


それをどうプレーヤーに伝えるか。

指導者としての腕の見せ所です。


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