バドミントンの楽しさは人それぞれです。
勝つこと、仲間との時間・・・もしかしたら運動不足解消、という人もいるかもしれません。
プレーヤーがどんな動機を持って練習や試合にのぞむか、それは自由です。
ただ、やる気のない態度を取られたり、チームの空気を悪くされるのは困りますね。
では、教え子に意欲的にバドミントンをしてもらうためには、どうすれば良いのでしょうか?
ストーリーをどうぞ。
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バドミントンの楽しさは人それぞれです。
勝つこと、仲間との時間・・・もしかしたら運動不足解消、という人もいるかもしれません。
プレーヤーがどんな動機を持って練習や試合にのぞむか、それは自由です。
ただ、やる気のない態度を取られたり、チームの空気を悪くされるのは困りますね。
では、教え子に意欲的にバドミントンをしてもらうためには、どうすれば良いのでしょうか?
ストーリーをどうぞ。
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暦の上では春だというのに、校内にはまだコートを着た生徒の姿が多い。
昼休みに入るなり、岡崎はバドミントン部の3年 内田につかまった。
彼が指導する2年の小暮が、うまくなりたい、勝ちたいと口では言っているけれど、覇気がなく、練習で手を抜いているようだ。
延々と語り続ける内田。
岡崎は、たまらず口を挟んだ。
その手には、なぜか財布が握られている。
「内田、お前、お金は好きか?」
「はい?」
「好きか?嫌いか?」
「そりゃぁ好きですけど。」
「じゃあこの1万円やるよ。」
「えっ?マジっすか?」
財布から1万円札を取り出し、内田に見せる岡崎。
内田は目を輝かせた。
だが、岡崎の話には続きがあった。
「ただし、絶対に使わず、財布の中に一生入れておくっていう条件付きならな。」
「何ですかそれ。だったらいらないですよ。」
「あれっ?お金、好きなんだろう?」
「使えなかったら意味ないですよ。」
岡崎は笑った。
「じゃあ質問を変えようか。お前、バドミントンうまくなりたいか?」
「もちろんです!」
「そうか。じゃあ仮にうまくはなるけど、絶対に勝てないとしたら練習するか?」
「しませんよ、そんなこと。」
「おかしいな。お前、うまくなりたいって言ったじゃないか。」
「勝てないんだったら、意味がないですよ!」
「そうか?スポーツは健康に良いし、ボケ防止にもなるし、勝てなくたって良いじゃないか。」
「一度勝つ喜びを知ったら、そんなことじゃ満足できませんよ!」
それを聞いた岡崎は、両手で内田の肩をつかんだ。
そして、まっすぐに内田を見据えて言った。
「お前には厳しい練習に耐える理由がちゃんとある。でも、小暮はどうなんだろう?」
「そりゃあ、うちの部にいるってことは、バドミントンが好きで、勝つために・・・」
「あいつがバドミントン始めたの、高校入ってからだぞ。うちの学校は、部活参加が必須だからな。もしかしたら、仕方なくやってるのかも知れないぞ。」
「・・・そんなことは・・・」
「ないと言い切れるか?」
後輩のことを何も知らなかったことに愕然とする内田。
岡崎は、話を続けた。
「お前を駆り立てる勝利の味ってやつを、小暮にも教えてやってくれないか?せっかくの縁だ。あいつにもバドミントン好きになってもらいたいよな。」
ポイント
あるスポーツジムで行われたこんな実験のお話をお聞きください。
ダイエットのためにやってきた被験者に、次の2種類のウエイトトレーニングをして、その効果をみました。
一方は筋力に応じて徐々に負荷を増加しますが、そのことを被験者に伝えません。
もう一方は、被験者の負荷を変えていないにも関わらず、負荷を上げ続けていると伝えました。
実際、成果をあげたのは後者。
また、前者と比べて脱落者も少ないという結果になりました。
後者は、「自分は負荷を増やされても耐えられる」という、目に見える成果で(ウソにも関わらず)意欲を高めました。
反対に前者は、負荷は変わらないはずなのに辛くなるのは、筋力が落ちているからだ、と思い込み、パフォーマンスを下げてしまったのです。
チームやプレーヤーには、個性があります。
残念ながら、こうすれば意欲的に取り組む、というような正解はありません。
しかし、基本は一緒です。
それは、プレーヤーがやっていること、これからやることに対して、成果や変化を見えやすく示しつづけることです。
あなたは教え子に対して、今から何ができるでしょうか?
一度、胸に手を当てて考えてみてください。
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