バドミントンの返球コースの読み方

サーブリターン

ある日のこと。

社会人チームの先輩、サーブレシーブの達人ミチルは新人メンバー順平をゲーム練習のパートナーに指名する。

なにがなんだかわからない順平。

果たして彼女の真意とは・・・

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バドミントンにもだいぶ慣れた、ある日の練習の昼休み。

順平は少し憂鬱な気持ちでランチを食べていた。

それは昼休み前のミチルの一言が発端だった。


「新人君、午後のゲーム練習はワタシと組みなさい。」

「あの、僕、順平って名前があるんですけど・・・」

「少しはワタシの華麗なサーブレシーブを見習いなさい。わかったわね、新人君。」

「いや、だから僕には順平って名前が・・・」


言いたいことを言ったミチルは、さっさと出ていってしまった。

ミスとかしたら怖そうだな。

は~、憂鬱だ。


昼休みが終わり、ミチルと順平はコートに入った。

ミチルは、足を引っ張ったらタダじゃおかない、という無言の圧力をかけてきた。

・・・だったら誘わなきゃ良いのに。


ゲームは一進一退の展開になった。

順平にも目立ったミスはない。

ミチルの機嫌も悪くはなさそうだ。


こちらが11点とったところでインターバルに入る両ペア。

順平は、ゲーム中に感じていた疑問をミチルに投げかけた。


「・・・あの、1つ質問があるんですけど。どうしてミチルさんはサーブリターンの後、あんなにスムーズに動けるんですか?」

「そこに気づいた?へぇ、ただのアホってわけじゃなさそうね。」


アホってあんた・・・

順平は口まで出かかった言葉を飲み込んだ。

 

「無駄な動きがないっていうか。まるで次にくる返球が読めているみたいです。」


それを聞いたミチルは、ちょっと驚いたような表情を浮かべた。

そしてニッコリ笑って答えた。


「それは自分で考えることよ。才能ないんだから人の3倍努力しないとね。」


インターバルが終わり、ゲームの再開が告げられた。

首を捻りつつも、ミチルにつづく順平であった。

ポイント

上級者のプレーを見ていると、コートが狭く感じられます。

それは、彼らが必要最小限の動きしかしていないからです。

これを可能にするのが「読み」です。

相手の返球が読めるようになれば、当然その後のプレーを優位に進めることができます。

ただ、これにはそれなりの経験が必要になりますので、いきなりはできません。

そこで最初におすすめするのが消去法です。

「ここにくる」は読めなくても「ここはない」というコースがわかるだけで、かなり無駄を省けます。

最初は少しずつでも、返球が絞り込めるように、自分なりの読みを育てていきましょう。


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