目標達成を妨げる苦手意識の克服法

目標

例えシングルス専門のプレイヤーでもチームなしではプレイできません。

人が2人以上集まれば、必ずそこには問題が起こります。

プレイヤーが

「この先輩は苦手・・・」

という意識を抱えていては日々の練習が滞り、勝利という目標達成にも影響が出てきます。

プレイヤーのそんな気持ちに気づいたとき、あなたは何ができますか?

それではストーリーをご覧ください。

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いよいよ8月、夏本番。

他の生徒達が夏休みを楽しんでいる中、部員達は今日も休日返上で練習に打ち込んでいる。

 

昼休み。

クーラーの効いた職員室で昼食をとる岡崎。


(午後も暑くなりそうだなぁ)


窓の外を見ながらそんなことを考えていると、ドアが開いて、一年の渡辺が入ってきた。


「ちょっと先生に相談があるんですけど...」

「そうか、まあ座れよ。」


岡崎は、近くにあったイスを引き寄せて渡辺の席を作った。


「で、どうしたんだ?」

「今コンビを組んでいる山崎先輩のことなんですけど。」

「うん。」

「僕、山崎先輩がどうも苦手で・・・」

「苦手?どんなところが?」

「うまいのは分かるんですけど、僕のことにもいろいろ干渉してくるところが・・・」


確かに山崎は実力がある上に自信家で、人のことにもよく口を出す。

渡辺がそう思うのももっともだ。

岡崎の質問が始まった。


「お前さ、この3年間で何がやりたい?」

「は?」

「いや、だからこの部活でどうなりたいんだよ。」

「そりゃあ大会でいい成績出したいとか、いろいろありますよ。」

「そうかそうか。」


岡崎は頷いた。

自分の予想と全く違うことを聞かれ、とまどい気味の渡辺。

そんな渡辺に岡崎はさらにとんでもないことを言い出した。


「お前さ、山崎の奴隷か何か?」

「奴隷って・・・」

「お前は山崎のためにバドミントンやってるのか?」

「違いますけど、やっぱり先輩のいうことは・・・」

「じゃあ先輩が辞めろっていったら辞めるのか?」

「そんなわけないじゃないですか!僕はバドがやりたくてこの部に入ったんです!!」


その瞬間、岡崎の目がキラリと光った。


「だったら山崎のことで悩むのはおかしいよな。」

「?」

「だって山崎がいてもいなくても、バドミントンはできるだろ?」

「そ、そりゃそうですけど。」

「お前は、気づかないうちに山崎の顔色見てプレイするようになってしまったんだよ。」

「・・・そうかもしれませんね。」


すっかり考え込んでしまった渡辺。

岡崎はゆっくりと話を続けた。


「お前、バドミントンやりたいから部活に入ったっていったよな。」

「はい。」

「だったらそのために、どう山崎を使うか考えてみろよ。」

「山崎先輩を・・・使うんですか?」

「口うるさいかも知れないけど、実力は確かだしプラスになることはたくさんあるだろう?」

「それはそうですけど・・・先輩を使うんですか?」

「そうだ。山崎のためにお前がいるんじゃない。お前のために山崎がいるんだ。もちろん、口に出したら山崎は怒るだろうけどな。」


練習再開5分前。

二人は窓から陽炎のたつグラウンドを見つめるのであった。

ポイント

いつでも最高の人間関係が用意されるなんてことはあり得ません。

人間関係にストレスを感じる人は、相手を自分より大きくしてしまうため抑圧感を感じています。

すると、実際以上に自分に都合が悪い点が強く感じられ、ますます苦手意識が強くなってしまいます。

そんなときは自分が本当にやりたいことに対して、その人の価値を見直すと違った一面が見えてきます。


さて、今回は人間関係を例に取りましたが、この技術はそれだけにはとどまりません。

価値を見直すという技術は、あらゆる苦手意識に応用がききます。

ぜひ取り入れてみてくださいね。


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