「山ガール」という言葉が象徴するように、近年若者を中心に登山ブームが起こっている。
山歩きといえば一部の人の趣味、中高年がやるものというのは過去の話のようだ。
登山でバテないためのコツは、体力よりもペース。
開始時には少し早いペースで心拍数を上げ、難所では落とすといった配分が重要になる。
同じ山でも、ペース配分の良し悪しで疲労度はまるで違ってくるというのだから奥深い。
ペース配分が重要なのは、バドミントンの大会も同じだ。
一度負けたら終わりというプレッシャーから、全試合を全力で戦ってしまう人は多い。
だが、これは最初から最後まで一本調子のペースでバテてしまう素人登山者と同じだ。
よほど大きなものならともかく、バドミントンの大会は基本的に1日で終わるトーナメントである。
1ゲームに集中すればいいゲーム練習と違い、1日に数ゲームをこなさなければならない。
トーナメントを勝ち進めるかどうかは、序盤をどう戦うかで変わってくる。
相手が弱いことが多く、試合間隔も長いため十分に休憩が取れるからだ。
だが、上に進めば相手は強くなり、試合間隔は短くなり、十分な休憩が取れなくなる。
序盤で必要以上に力を使ったり、ゲームを長引かせてしまうと、勝てるはずの相手に足元をすくわれることが起きるわけだ。
では、序盤のペースを落とせば良いのかといえば、そう簡単にはいかない。
組み合わせ次第で、初戦から強敵と当たり全力を出さなければいけないこともある。
その場合は当然、どこかで終盤に向けての体力と気力を回復させなくてはいけない。
しかし、目の前のゲームだけしか見れない人には、それができない。
本当に強い人はゲームではなく、大会の勝ち方を知っている。
組み合わせが決まった時点で、どこでアクセルを踏み、どこで緩めるのかを思い描く。
そう。コートに入る前から勝負は始まっているのだ。
■ 今日の格言 「本番に強いプレーヤーの趣味は登山」