大会・試合。
日々厳しい練習を重ねてきたプレーヤーたちの晴れ舞台である。
さて、仲間内のフランクなバドミントン大会ならともかく、それなりの大会には当然、開会式がある。
そしてこの開会式でほぼ行われるのが、運営委員長・協会長といったお偉いさんのあいさつだ。
彼らは言う。
「日頃の練習の成果を100%出し切って・・・」
「自分の持てる力を出し切って・・・」
どの大会でも毎回のように言われることなので、あまり気にしていない人がほとんどだろう。
だが、ここに1つ大切なことが隠されている。
それは、「日ごろの練習の成果を100%出し切ることなど不可能だ」ということだ。
人間のパフォーマンスほどあてにならないものはない。
その日の体調・メンタル面・会場・相手といった要因で発揮できる力は変わってくるし、その日だけをとっても時間帯や戦況によって変化する。
わずか5gのシャトルを打ち合う、バドミントンのような繊細な種目であればなおさらだ。
にも関わらず、「普段の練習でできているから」とか、「猛練習で身に付けた新技だし」と、100%の力が出せる前提で試合にのぞむ人は意外に多い。
では、当てにしていたことが機能しなかったらどうだろう。
リズムを崩してしまうのは、火を見るより明らかだ。
覚えておいてほしい。
練習でできないことは当然、本番でもできない。
しかし、練習でできたからといって、本番でできるとは限らないのだ。
練習に練習を重ねてのぞむ晴れの舞台だけに、気持ちが高ぶるのはわかる。
しかし、それでアクセルを踏みすぎては本末転倒。
そんなときこそ、冷静に「その日の」自分のベストをつくすようにしたいものだ。
■ 今日の格言 「ベテランは開会式の挨拶を鼻で笑う」