バドミントンがうまい人のスペース活用法

配球

サーブリターンの達人ミチルと、地域のバドミントン大会にのぞむ順平。

なかなか相手を崩せず、少しずつ苛立ちがつのる。

だが、そんな順平にミチルは・・・

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大会の初戦。

順平とミチルは、思わぬ苦戦を強いられていた。


序盤から相手のいないところ、いないところへの配球を試みる順平。

足を使わせ、レシーブを乱す作戦だ。


だが、相手は難なく追いついてくる。

配球が甘いのだろうか。


結局、第1セット最初の11点目は相手が先取した。

60秒のインターバルに入ると、ミチルは不満をぶちまけた。


「ちょっと新人君!何やってるのよ!!」

「だから新人君って呼ぶのはやめてくださいって。」

「そんなこと、どうでもいいのよ!」

「・・・とにかく後半は、前半以上に相手を動かせるようにオープンスペースを狙っていきますので。」


そう言って、コートに戻ろうとする順平。

だが、ミチルはそれを止めた。


「あんた、何言ってるの?」

「えっ?」

「もう良いわ。少しくらいあんたに任せようと思ったわたしがバカだった。」


相手サーブから始まる、第1セットの後半戦。

サーブを待つミチル。

このサービスリターンをきっちり返して、波に乗りたいところだ。


(ミチルさんなら、もっと際どいコースを狙えるんだろうか・・・)


順平がそんなことを考えていると、相手がサーブを打ってきた。

飛んできたロングサーブ。

相手のパートナーは、少し前寄りのポジションで構えている。


ミチルはそれをバック奥のオープンスペース・・・ではなく前衛の真正面に思い切り叩きこんだ。


まさかロングサーブを前衛に返されるとは思わず、あわてる相手。

前衛と後衛の間にスペースができる。


ミチルはそれを見逃さず、どちらがとるか迷ってしまう絶妙の場所に返球した。

手も足も出ない相手ペア。


4球でキッチリ終わらせる理想的な展開。

順平は、それがあまりに鮮やかで、つい見とれてしまった。


その視線に気づいたのか、ミチルがこちらを振り返る。

そして、こんなことは当然だと言わんばかりの表情で口を開いた。


「空いているコースを狙うのはあんたみたいな超ド素人。わたしみたいにうまい人は空けたコースに打つのよ!」

ポイント

相手の隙を狙う。

相手のいないスペースに打つ。


特に初心者プレーヤーがよく使う配球です。

ただ、実際にやってみると、思ったような効果はあがりません。

それには、こんな理由があります。


たとえば、左奥に相手がいる場合、一番遠いのは右手前です。

ですから、一見、その配球は効果的な気がします。

しかし、単純に空いているスペースに打てば良いというものではありません。


自分に置き換えて考えてみてください。

普通、空いているスペースは、いつでも対応できるよう意識していますよね。

それに、少しくらい距離があっても、前に一直線に動く移動は、楽なものです。


それは、相手にしても同じことです。

むしろ、こちらを油断させておいて、カウンターを狙っていることさえあります。

そんなところに打てば、結果は火を見るより明らかです。


ミチルさんも言っていました。


初心者は空いているコースを探します。

でも、上級者は空いているコースを自分で作るのです。


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