相手の弱点を丸裸にできる練習法

練習

相手の弱点をいやらしく突くクレバーなプレーヤーになりたい順平。

より強い相手を求め、ゲーム練習に精を出す日々が続く。

そんな順平に元木は・・・

スポンサード リンク


「ありがとうございました。」

「おう、頑張れよ。」


ゲーム練習が終わり、相手に礼を言う順平。

今日相手をしてくれたのはレシーブに定評のある古株の先輩。

その固い守備をいかに崩すか・・・たくさんの課題が見えた収穫の多いゲームだった。


もっとスピードのある球を打たなければ・・・

次は前後に振ってみようかな・・・


さっそく課題を整理する順平。

練習日誌をつけているチームメイトは多いが、順平ほどノートの減りが早いものはいない。

まさにバドミントンバカの見本だ。


「おいおい順平。塾で受験勉強してるんじゃねえんだから・・・」


さも呆れたかのように声をかけてきたのは前衛マエストロ、元木だ。

口ではそう言っているが、その熱心さに感心しているようだ。


「アハハ。でも、書いとかないと忘れちゃうので。」

「熱心なことで・・・どれどれ・・・もっとスピードのある球・・・前後に振る・・・ふーん。」

「あっ、見ないでくださいよ。」


あわててノートを隠す順平。

その表紙には『バドミントン上達ノート』と書かれている。


だが、ノートを見た元木は首を傾げていた。


「スピードとか前後とか・・・もっと他に課題はねえのか?」

「えっ?そりゃありますよ。フットワークとかレシーブ力とか・・・」

「いや、攻めるときのことだよ。」

「うーん・・・細かいことはいろいろありますけど、大きくはその2つですね。」


それを聞いた元木は少し真面目な顔で口を開いた。


「おい順平。次の基礎打ちだけどな・・・」

「あっ、元木さん相手してくれます?」

「いや、河野とやってみろよ。」

「えっ?河野くんですか?」


順平は少し不満そうな顔をした。

河野は1週間前にチームに加入した新人。

順平が求める強い相手には程遠い。


「河野と100回ラリーが続くようにするんだぞ。先輩命令だ!」

「・・・は、はい。」


不満を隠しつつ、河野とコートに入る順平。

少しコースを外れると空振りしてしまうので、なかなかラリーが続かない。

申し訳なさそうな河野に笑顔で答えつつ、練習を続ける。


やがて、順平はどこに打てば彼が対応できるかわかってきた。

フォア側はここ、バック側はここ・・・

次々にコースを見つけていく。


さらに続けていくと、そのコースを何センチずらせば取れないかまでわかるようになった。


やがてある考えが頭に浮かぶ。


(実際のゲームでもこうやって弱点を見つけていければ・・・あっ、もしかして元木さんが言いたかったのは・・・)


元木を見ると、同じように初心者相手に絶妙のコントロールで安定したラリーを続けていた。

ポイント

強いプレーヤーを相手に技術を磨くのは大切なことです。

しかし、それだけではなかなか身につかないことがあるのも事実。


うまい人との打ち合うと、自分が多少コントロールを乱しても対応してもらえます。

すると、今回の順平くんのように課題が曖昧になってしまう弊害が生まれてしまうのです。


逆に、初心者相手にラリーを続けるには、シビアなコントロールが要求されます。

また、相手のスイングからどこに打てば返るかを見抜かなければならないため、自然に相手のプレーを見る目が養われます。


観察力や分析力は一朝一夕には身につかないもの。

早いうちからこういう練習に取り組んでおくと、後々役に立ちますよ。


スポンサード リンク

関連記事