この日、順平はサーブのクリスこと、クリス花柳と隣町のバドミントンチームを相手に練習試合にのぞんでいた。
ゲームは、サーブレシーブをすごいスピードでプッシュしてくる相手に手を焼く展開に。
果たして、彼らは相手のサーブレシーブを攻略できるのか・・・
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この日、順平はサーブのクリスこと、クリス花柳と隣町のバドミントンチームを相手に練習試合にのぞんでいた。
ゲームは、サーブレシーブをすごいスピードでプッシュしてくる相手に手を焼く展開に。
果たして、彼らは相手のサーブレシーブを攻略できるのか・・・
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クリスは苦笑いした。
となりには最高のショートサーブをプッシュで押し込まれた順平が、意気消沈している。
順平ペアは序盤から、相手のプッシュに苦戦していた。
もしかしたら、我がチームが誇るサーブリターンの達人ことミチルより反応は速いかもしれない。
クリスが、タイミングを見て順平に話しかける。
「ここであんまり点をやると、後半が苦しいよ。とりあえずロングサーブでしのごう。」
当然の流れだ。
クリスは、順平もそれに賛同すると思っていた。
だが・・・
「クリスさん、それじゃ相手の思うツボです。」
「えっ?どういうことだい?」
「僕調べたんですけど、相手の後衛、相当スマッシュ得意らしいです。」
「えー、マジ?」
「ど、どうしましょう・・・」
クリスは乱れたヘアスタイルを、独特の仕草で直した。
本人曰く自分だけしかできないエレガントな仕草らしい。
「やれやれ。せっかくのダブルスなんだから個人技で勝つのはあんまり好きじゃないんだけどなぁ・・・」
「えっ?クリスさん、何か策でもあるんですか?」
「あるよ。あの忌々しいプッシュを1発でピタリと止める方法が。」
「そ、それはどんな!?」
「ま、それは見てのお楽しみ♪」
そしてクリスのサーブが回ってきた。
いつものようにクルリとラケットを回してから、サーブの体勢に入る。
そして・・・
打ち出されたのはいつもよりさらに短いショートサーブ。
これではサービスラインまで届かない。
(あのクリスさんがミス!?)
一瞬そう思った順平だったが、相手は構わず飛びついてきた。
バシッ
相手のラケットが激しくネットを叩く。
この1プレー以降、相手は積極的なプッシュを打ってこなくなった。
どうやら、頭にネットへの恐れが擦り込まれてしまったようだ。
順平の視線に気づいたクリスは、得意げに、そして少し照れたような表情で親指を立てた。
ポイント
サーブはこちらの第1回目のショットだけに、叩かれると流れが変わってしまう可能性があります。
それだけに、今回のように積極的なサーブレシーブをする相手は厄介です。
ただ、サーブレシーブでプッシュを打つのが飛び抜けて速い相手は、インかアウトか確認せず、飛んできたらとにかくプッシュという場合が多いです。
そこに付け入る隙があります。
サーブを工夫し、タッチザネットを誘うことで相手を崩せるのです。
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