ラウンドザヘッドを実戦に活かすポイント

ラウンドザヘッド

上級者の試合から学ぼうと、バドミントンのテレビ放送を見た順平。

国内の強豪たちがしのぎを削る光景に、圧倒された。

その中である選手の放ったショットが深く印象に残った。

後衛のスペシャリスト大垣にその話をすると・・・

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「・・・というわけなんですよ、大垣さん。」

「あぁ僕も見た。ラウンドザヘッドだね。」

「ラウンドザヘッドって言うんですか?アレ。」

「順平ちゃん、知らなかったの?まぁ、初心者向けのバドミントン教本には載ってないかも知れないね。」


昨晩見たバドミントンのテレビ放送について話す順平と大垣。

彼らの話題は、ある選手が放ったラウンドザヘッドに集中した。


「ラウンドザヘッドっていうのは、奥に打ち込まれて普通のスイングでは間に合わないようなときに使うショットなんだ。」

「まるでハイバックみたいですね。」

「うん、役割としては似ているかもね。後衛のプレー・・・いや、バドミントンの中で一番難しいプレーかも知れない。」

「そうですか?」


順平は釈然としなかった。

たしかに難しいのはわかる。

でも、相手に背を向けて後ろにシャトルを打つハイバックに比べれば、まだ易しい気がするのだ。

それを見た大垣は言った。


「じゃあ、1回やってみなよ。僕が球出ししてあげるから。」


昼休みということもあって、ちょうど都合よくコートも空いている。

順平の準備ができたのを待って、大垣がシャトルを打った。

昨日見た試合とまったく同じシチュエーションだ。


見よう見まねでトライする順平。

実際にやってみて改めてその難しさを思い知った。

うわっ、背中ツリそう・・・


しかし、偶然にも順平のラケットがシャトルを捉えた。

力ないながらも、ネットを超え、相手コートに飛んでいくシャトル。

で、できた~!!

しかし喜んだのもつかの間。

そのリターンを大垣が強打で押し込んだ。


「えっ?」

「『えっ?』じゃないでしょ順平ちゃん。」

「いや、でもせっかくできたのに・・・」

「実際の試合で、ラウンドザヘッドが成功したからって相手が待ってくれると思う?」

「そりゃそうですけど・・・」

「じゃあ順平ちゃん。油断しなかったとして、今の取れた?」


おそらく無理だろう。

ジャンプの着地で体勢を崩したあの状態では、空いたスペースに入れられればイチコロだ。

黙りこんでしまった順平をよそに、大垣の話はつづく。


「バドミントン全般に言えることだけど、そのショットが打てるようになっただけでは50点。次のプレーへの結びつけができて初めて及第点だよ。」

「・・・」

「そういう意味でも、やっぱりラウンドザヘッドは最高難度のショットだろうね。」

ポイント

本来バックハンドで打つシャトルを、強引にフォアで打つラウンドザヘッド。

反り返って、後ろに飛びながら打つバドミントンならではのショットです。


シャトルを前に飛ばすだけでも難しいこのプレー。

しかしその真の難しさはその後。


打った後、体が後ろに流されてしまうと、前に落とされたシャトルに対応できません。

足をしっかり踏ん張って、重心が後ろにかからないように注意しましょう。


また、このショットは後ろに飛ぶことから、着地時の転倒や捻挫などが増えがち。

ケガだけはしないよう、ご注意くださいね。


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