絶対に口にしてはいけない指導者の禁句

指導者

指導者にとって、新しいメンバーとの関係づくりは、その教え子だけではなく、チーム全体の雰囲気にも影響する大切な仕事です。

さて、新メンバーと接するにあたり、ひとつ肝に銘じていただきたいことがあります。

それは、新人はもちろんのこと、付き合いの長いメンバーに対しても、たった一言でそれまでの信頼を壊しかねない「禁句」があるということです。

それでは本日のストーリーをどうぞ。

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卒業式から数週間。

体育館では、2年たちが1年生をしごいていた。

1年たちも、もうすぐ先輩と呼ばれる立場になることを自覚しているのだろう。

顔つきは真剣そのものだ。


そんな体育館に突然、怒鳴り声が響き渡った。

新キャプテンとしてバドミントン部を率いる川上だった。

1年の今村が、とれそうなシャトルをあきらめたことに対して怒っていた。


テクニックはあるのだが、淡白な性格であきらめが早い今村。

何度も指摘されているのだが、改まる気配はない。


部を引っ張らなくては、という自覚もあったのだろう。

今日の川上の口調は、いつになくきつかった。

しかし顧問の岡崎は、特に気にした様子もなく、それを見ていた。


やがて、川上は今村に背を向けて一言、小さな声でつぶやいた。


「お前、ほんまにむかつくよなぁ。」


その瞬間、それまで静かだった岡崎の態度が豹変した。

川上に詰め寄り、大声で怒鳴りつけたのだ。


「お前はなんてことをいうんだ!」


普段温厚な岡崎がなぜそこまで怒るのか。

理解できず動揺する川上。

他の部員たちも唖然としている。


やがて、岡崎は咳払いをしていった


「急に怒鳴ったりしてすまなかった。でも、相手を感情で否定する言葉だけは絶対にいっちゃダメだ。」

「・・・」


2年たちがざわめきだした。

普段、つい使ってしまいそうな言葉だけに、自分も使った覚えがあるのだろう。

そんな部員たちをしっかりと見ながら、岡崎は話をつづける。


「怒るななんていわない。多少ヒートアップしても良い。でも、感情の言葉だけは使わないでくれ。」

ポイント

「うまくいった」という事実を示す言葉と

「やったー、めっちゃうれしい!!」という感情を示す言葉。


口に出して、気持ちが高ぶるのはどちらでしょう。


「何度同じことをいわせるんだ。」という過ちへの指摘と、

「お前は本当にむかつく奴だ。」という相手の人格への感情攻撃。


いわれて辛いのはどちらでしょうか。


感情を示す言葉は、あなたが想像するよりはるかに強い力を持っています。

特に、指導者が発する感情は、立場の力も加わって、プレイヤーに深刻なダメージを与えます。

それが元でメンタルバランスが崩れてしまい、バドミントンができなくなってしまうことだって、ないとはいえません。


もし、そんなことがあったら、あなたは責任を取れますか?

心に刻んでください。

指導者とは、自分が発する言葉の全てに責任を持てる者のことをいいます。


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