バドミントンサーブの緊張に効く薬

サーブ

ある日の大会でのこと。

相手のマッチポイントで迎えた大切なサーブを失敗してしまい、激しく落ち込む順平。

そんな順平にクリス花柳がおくったアドバイスは・・・

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疲労感が、一気に順平を襲った。

相手サイドのマッチポイントで迎えた、大事な大事なサーブ。

それを、こともあろうにネットに引っ掛けてしまうなんて・・・


「人が決戦の地に向かおうって時に、辛気臭い顔をするのはやめてくれるかな。」


うなだれる順平に、そう声をかけてきたのは、サーブのクリスこと、クリス花柳だった。

そういえば、次のゲームに出るんだったっけ。


どんなゲームでも鮮やかなサーブを決める、我がチームが誇るサーブの名手クリス。

その秘密が知りたくて、順平はクリスに声をかけた。


「クリスさんは、サーブを打つとき緊張しないんですか?」

「緊張?何でそんなことをしなきゃいけないんだね?」

「だって、失敗すれば即失点じゃないですか。さっきもそう思ったら手が震えちゃって。」

「失敗が怖くてバドミントンはできないよ。僕のような才能がないのなら、努力でカバーしたまえ。」


そっけなく言い放ち、クリスはさっさとコートに入っていった。


一進一退のシーソーゲームがつづく好カードとなった。

そしてゲーム終盤、ここで勝負が決まるという山場で、クリスのサーブ順がやってきた。


これを失敗すれば、流れは完全に相手に向かうだろう。

そんな大役をつとめるクリスのプレッシャーは、いかほどのものだろう。


もしあそこに立っているのが、自分だったら・・・

考えただけで冷や汗が出てくる。


だが次の瞬間、順平は思わず目を見開いた。

クリスは、何のためらいもなく、さっさとサーブを打ってしまったのだ。


(こんな大事なサーブを、そんな適当に打つなんて!!)


相手も、プレッシャーがかかるこのシーンで、ここまで思い切りよく打ってくるとは思わなかったのだろう。

なんでもないショートサーブをネットに引っ掛けてしまった。


その1プレーが、クリスたちの勢いを決定づけた。

勝利の笑顔を浮かべて引き上げてくるクリス。

そんな彼を横目に、順平はつぶやいた。


「やっぱすごいんですね。クリスさんは・・・僕とは才能が違うのかな。」


小声で言ったつもりだったが、聞こえていたようだ。

順平の肩をポンと叩き、クリスは口を開いた。


「ま、才能の差は雲泥だろうけど・・・今日は特別に、君のような凡人でもサーブで緊張しなくなるおまじないを教えてあげよう。」

「えっ?おまじない?」

「バドミントンのサーブはサービス。」

「サーブは・・・サービス?」

「そう。相手に気持よく打ってもらうためのサービスショットだと思うのさ。」

ポイント

バドミントンのサーブがラリーポイント制になってから、サーバーにはより大きなプレッシャーがかかるようになりました。

しかし、プレッシャーで緊張してしまっては、思うように体が動きません。

また、相手に緊張感が伝わるため、強気に攻められることになってしまいます。


でも、いくらリラックスしろと言われても、やっぱり緊張してしまいますよね。

そんなときは、こう考えてみてください。


バドミントンのサーブは腰から下でしか打てません。

サーブを打ち始めたら、動作を止めることもできません。

ですから、バレーボールやテニスのように強打を打つこともできなければ、フェイントをかけることもできません。


上級者でも、サービスエースなんてそうそう出ません。

敢えて強引な言い方をすれば、サーブなんて誰が打っても同じ。

サーバーはもともと不利なのです。


だったらいっそ、リターンエースさえ打たれなければOKと割りきってみてはどうでしょうか。

たとえ効果的なサーブは打てなくても、ミスで失点するよりマシですし、その思い切りが結果的に強気なサーブにつながることもあります。


主導権を取るバドミントンサーブの特徴」でも紹介しているとおり、サーブは打たれて当然のサービスショットです。

気楽に打ちましょう。


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