次の試合に、ミックスダブルスで出場することが決まった順平。
バドミントン教本で勉強し、練習に励む日々。
だが、なかなか良い結果がでない。
少しずつ焦りを感じだしたある日・・・

順平は焦りを感じていた。
もうすぐ開催される大会に、ミックスで出場することになったのだが・・・
チーム内のゲーム練習で1勝もできていないのだ。
改めてバドミントン教本を見直す順平。
『ミックスダブルスはいかに女性側を攻撃できるかがポイントです。』
女子を狙うのはミックスのセオリー。
当然、順平もそれを実践している。
パートナーを組む後輩にも、口を酸っぱくしてそのことを伝えている。
「ミックスは女子を狙うのが基本だよ!絶対男子側に打ったらダメだからね!!」
「わかってますよ順平さん。ちゃんとやってるじゃないですか!」
あまりしつこく言うので、怒り出すパートナー。
勝てないことへの焦りも手伝い、少しずつ険悪なムードが漂いだした。
そんなある日、後衛のスペシャリスト大垣が声をかけてきた。
「次の大会、順平ちゃんもミックスで出るんだよね。勝てるように今日はミックスフライ弁当買ってきたよ。」
「はぁ。」
「ん?どうしたの?ダジャレ、面白くなかった?」
「まぁ、それはいつものことですけど・・・全然勝てなくって・・・」
「・・・やっぱり面白くないんだね。」
少し落ち込んだ大垣。
雰囲気を変えようと、強引に話題を変えてきた。
「いつもゲーム見てるけど、あれじゃ勝てないよ。」
「えっ?ちゃんと女子を狙ってますよ。」
「頭固いなぁ順平ちゃん。」
「だってこの教本にも女子を狙えって書いてますよ。」
大垣は、手渡された教本を見た。
そして、ペンで一言付け加え、順平に突き返す。
開かれたページを見ると、太い赤字で、
「女子が後衛にいる場合。それも中級者までに限る。」
と書かれていた。
■■■ポイント■■■
確かに、ミックスダブルスでは、女子を狙う戦略が効果を発揮します。
しかしそれには、「後衛の女子」かつ「中級者まで」という条件が付きます。
女子への攻撃が有効なのは、男子との体力の差が活かせるシーンです。
ですから、強打の多い後衛への攻撃では、点が取れるでしょう。
しかし、前衛を強打で攻撃できる機会は、それほど多くありません。
それならプッシュで前衛を狙えば良いのでは、と考えたくなりますが、これは違います。
なぜなら、プッシュにはスピードはありますがパワーがありません。
タイミングさえ合えば、簡単に対応されてしまいます。
このことを知って、次に重要になってくるのが、女子を後ろに押しやることです。
しかし、相手も考えていますから、そう簡単にはいきません。
そんな時は、発想を逆にして、男子にカットやドロップを打つことで前衛に引っ張り込みましょう。
そうすれば、女子は前に入りたくても入れません。
それから、冒頭でも述べた通り、この戦略は上級者相手には通用しません。
彼女たちは、狙われることを見越して、自分よりパワーのある相手との戦い方を心得ています。
しかもバドミントンの場合、女性の方がキャリアを積んでいてうまいことが珍しくありません。
むしろペアの男子側を攻めた方が、うまくいくことも多いのです。
一般論を鵜呑みにしていると、痛い目を見ます。
客観的な目で、ペアの弱点を見極めていくようにしましょう。





