後輩に不満たらたらの順平。
ある日のミーティングでついに不満が爆発する。
そんな順平にレシーブプリンセス優子は・・・
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後輩に不満たらたらの順平。
ある日のミーティングでついに不満が爆発する。
そんな順平にレシーブプリンセス優子は・・・
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パートナーの後輩が、自分だったら何でもないバックハンドの返球をミスした。
(ああ、またか・・・)
ため息をつきたくなるのをグッとこらえる。
先月から後輩とコンビを組み出した順平。
バドミントンの経験者ということもあって期待していたのだが・・・いざコンビを組んでみると欠点がボロボロ出てくる。
特に、バックハンドでのレシーブが滅法弱い。
このままでは勝てない。
そう考えた順平は、ある日の練習後、ミーティングを開くことにした。
「・・・やっぱりバックハンドだね。いつもそこで失点している。」
「それは課題としてあげています。だから毎日バックハンドの練習やってるじゃないですか。」
「じゃあもっと練習してくれる?でないと次の大会も勝てないよ。」
そろそろ体育館が閉まる時間だ。
今日のミーティングはここまで。
急いで帰らなきゃ。
そう思っていたところに、後輩が口を開いた。
「あの、ちょっと良いですか?」
「えっ?何?」
「僕ら、コンビを組んでもうすぐ1ヶ月になりますよね。」
「うん、そうだね。」
「で、思ったんですけど。僕のミスより順平さんがスマッシュレシーブで失点するパターンが多いと思うんですけど。」
「えっ?」
後輩のミスばかりに目がいって、自分の欠点に気づいていなかった順平。
だが、言われてみれば自分がスマッシュを拾いきれずに失点するパターンが多いような気もする。
この指摘は真摯に受け止めなければ。
「と、とにかくそれぞれの課題ということで、また来週からがんばろうか。」
「そうですね。」
そう示し合わせた時だった。
背後から2人に声がかかる。
「2人とも・・・いつまで・・・やるの?・・・もう、体育館・・・閉まるよ。」
振り返ると、そこにいたのは我チームが誇るレシーブプリンセス優子だった。
2人がいつまでも出てこないので、心配して戻ってきたようだ。
「あっ、すみません。もう終わりますから。」
後輩に帰り支度を促す順平。
だが、優子はそれを制した。
「何・・・話してた・・・の?」
帰り支度をしながら答える順平。
「ああ、2人の課題です。僕はスマッシュレシーブ。あいつはバックハンドのレシーブっていう課題がでました。」
それで終わると思っていた順平。
だが、優子はそこに食いついてきた。
「後輩君が・・・バックハンドのレシーブを失敗するのは・・・どんな場面?」
「えっ?・・・いや、とにかくバックハンドで取る場面です。」
「・・・じゃあ、順平くんが・・・スマッシュレシーブをミスするのは?」
「!?いや、スマッシュレシーブ全般でしょう。とにかく2人でしっかりやっていこうってことで・・・」
いつ体育館の職員がやってくるか、気が気ではない順平は優子の問いかけに適当に答えた。
その答えに、寂しげな表情を浮かべる優子。
「・・・そんな・・・あいまいな課題は・・・課題じゃ・・・ないよ。」
ポイント
バドミントンの上達が速い人と、そうでない人の違い。
それは、課題の具体性です。
上達しないひとは「バックハンドが弱い」など、あいまいな課題をあげます。
でも、これで本当に問題は解決するでしょうか?
そのミスが起こるのは、スマッシュ・ドロップ・ドライブ・・・どのショットに対してですか?
コートのどの位置に立っていて起こるミスですか?
それぞれの状況に応じた対策をとらなければ、弱点を克服することなんてできません。
極端な話、1失点につき1つ課題があるととらえるべきです。
また、個人の課題だけにフォーカスしてしまうのも、ダブルス初心者がよくやる過ち。
もちろん個々のレベルアップは大切です。
しかしダブルスを戦うなら、パートナーが苦手とするプレーをしないで済むシチュエーションを演出することも覚えるべきです。
何度も言いますが、バドミントンダブルスで勝てるかどうかは、2人のプレーヤーの総合力で決まります。
自分はできている、などと言っていてはいつまでたっても勝てるコンビにはなれませんよ。
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