ダブルスで追い込まれた時の奥の手

ダブルス

一度攻められると、なかなか立て直しができない順平。

高く長い球で間を開けようとするのだが、ダブルスの速い展開の中では思ったような効果が出せない。

それを見た後衛のスペシャリスト大垣は・・・

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『バドミントンには流れがあります。相手に流れがいっているときこそ、しっかりと立て直さなくてはいけません。』


先日、ついにスマートフォンを購入した順平。

昼休みもバドミントンの情報サイトやブログなどを読みあさるようになった。


『攻められているときは無理に攻めるのではなく、一回間を置くのが大切です』


うんうん、そうなんだよ。

で、具体的には?

その先に自分の課題を解決する答えがあると信じ、画面を繰り下げる順平。


『大きく高く返し、その間にフォーメーションを整えましょう。』


順平はガックリと肩を落とした。

それでうまくいかないから困ってるんだよ~。


攻められたらロブやクリアで間を取る。

そんなことはどの教本にも載っている。

しかし、実際には強打を打ち込まれてしまったり、ますます厳しいコースを突かれてしまう。

サイドぎりぎりを狙ったり、できる限り奥に飛ばしたりと工夫はするのだが、結果は同じ。


(まいったなぁ・・・)


もうすぐ午後の練習が始まる。


「どうしたの順平ちゃん。お腹でも痛いの?」


順平の様子を心配して声をかけてきたのは、後衛のスペシャリスト大垣だった。


「大垣さんは・・・こんなことで悩まないんでしょうね。」

「えっ?どうしたの一体?」


一通り話を聞いた大垣は笑った。


「そりゃ僕だって攻め立てられることはあるよ~。そういう思い込みをされるのはスカンジナビア半島だなぁ。」

「それ・・・好かんとかけてるんですよね。すっごくわかりにくいんですけど・・・」

「相変わらず厳しいねぇ。バドミントンもそれくらい強気にやればいいのに。」

「・・・」


昼食を終えたメンバーたちが体育館に戻りだす。

そろそろ準備を始めなければいけない。


「返しにくいサイドぎりぎりとか、奥ぎりぎりとか、いろいろ工夫はしてるんですけど・・・」

「ふーん・・・順平ちゃん。午後のゲーム練習、僕と組まない?」

「えっ、あぁ、はい。」

「ダブルスならではの奥の手を教えてあげるよ。」

「!?」


そしてゲーム練習の時間がやってきた。

コートに入る順平と大垣。

大垣の指示通り、前衛に入った。


やがて順平がいつも手を焼くシーンがやってきた。

勢いに乗って責め立ててくる相手。

ここは一旦間を取りたいところだ。


どうする大垣さん。

次の一手に注目する順平。

厳しいコースを突いていくのか?


大垣が打ったのは・・・何のことはないセンターへのドライブだった。


(打ち込まれる!)


身構える順平だったが、その必要なかった。

返ってきたのは、大垣の正面へのイージーな棒球。


拍子抜けする順平をよそに、冷静にゲームを立て直す大垣。


(あれが・・・奥の手?)


釈然としない順平は、ゲームが終わって汗を拭く大垣に詰め寄るのだった。

ポイント

厳しいコースを突くことは、立て直しの時にはむしろ逆効果。

なぜなら、角度のある球には角度のある返球がくるからです。

体勢の整っていないときであれば、ますます状況は悪くなってしまいます。


そこで有効になってくるのが、今回ご紹介したセンターへの配球

ここに打てば、ほぼストレートで返ってきますから、こちらの対応も楽になります。


また、2人の間はラケットが交錯しやすいダブルスではミスの出やすいコース。

うまくいけば、一気に形勢を逆転できます。


さらに、センターへの返球があることを相手の頭に入れておけば、サイドへの攻撃が通りやすくなるため、ゲームそのものを優位に進めることができます。

ダブルスをやるならこの配球を覚えておきましょうね。


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