一流のサーバーがやるサーブ練習とは?

サーブ

毎日毎日、欠かすことなく取り組んできた練習。

だがこの日、順平はゲームを決定づける致命的なサーブミスを犯してしまう。

打ちひしがれる順平に、クリスの厳しい一言が突き刺さる。

スポンサード リンク


(うわーっ、やっちまったー!!)


ゲーム終盤の痛い痛いサーブミス。

順平は頭を抱えた。

あれほど練習していたのに。

無理をせず安全なコースを狙ったはずなのに。

どうしてここでミスをしてしまうんだ、僕は!?


パートナーをつとめてくれた先輩は、気にするなと言ってくれた。

だが、順平は気持ちを切り替えることができなかった。

たった1本のサーブミスがミスの連鎖を生み・・・リードをひっくり返され負けてしまった。


全力をつくして落としたゲームならまだあきらめもつく。

だが、自分のミスが原因となると、そうはいかない。

珍しく荒れる順平。

チームメイトの間にも声をかけづらい空気が流れる。


そんな順平に臆することなく声をかけてきた者がいた。

サーブのクリスこと、クリス花柳だ。


「順平くん。周りに当たり散らすのは感心しないな。自分のミスだろ?」

「ク、クリスさん・・・」


その一言にようやく頭が冷えた順平。

チームメイトに頭を下げ、ようやく空気も戻った。

やがて落ち着いた順平は、クリスに愚痴を漏らした。


「それにしても・・・毎日あんなに練習しているのに決まらないなんて・・・サーブって難しいですね。」


バドミントンのサーブの奥深さを知り尽くしているクリスだったら、同意してくれるはず。

そう思っていた。

だが、クリスの口から出たのは順平の心に突き刺さる厳しいものだった。


「そりゃ練習のサーブは実戦では通用しないよ。」

「えっ?」

「どれだけ練習しているか知らないけど、決まるサーブが打てないんだったら、そんな練習やるだけムダさ。」

ポイント

この「ダブルスのダ」でも繰り返し出てくる「実戦的な練習の大切さ」。

ただ、その重要性はわかっていても、実際の試合をイメージするくらいしかしていないのが現状ではないでしょうか。


サーブはバドミントンの中でも、特に繊細な感覚が要求されるプレー。

そのため、練習の一番最初や、一番最後の集中できる環境でやることがほとんどです。


しかし、実際のゲームで集中してサーブが打てるシチュエーションはどれだけあるでしょう?

むしろ、きついラリーの直後や、大きなプレッシャーがかかるときなど、集中できない時にこそ正確なサーブが要求されます。


では、どうすれば実戦を意識したサーブ練習ができるでしょうか?

たとえばラリー直後の息の上がった状況を想定して、ダッシュ系のトレーニングの後に休みを入れずにやってみる。

たとえば自分のリズムを再確認するため、あえてサーブを打つまでの時間を普段と変えてみる。

などなど、できることはたくさんあります。


心と体のコントロールが難しい状況でこそサーバーとしての真価が問われます。

本番の試合前に、できることはすべてやるのが上級者です。

練習でできないことは、試合でもできませんよ。


スポンサード リンク

関連記事