ネットぎりぎりのプッシュはこう決める

プッシュ

ある程度滞空時間の長い球を処理する後衛に比べ、瞬間の判断が要求されるバドミントンダブルスの前衛。

様々なショットを習得し、大抵のリターンには対応できるようになった順平。

だが、それを見た前衛マエストロ元木は・・・

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コートでは白熱のゲーム練習が展開されていた。

順平と元木の前衛対決だ。


今日の順平はとても良い動きをしている。

前衛マエストロの異名を持つ元木に一歩も引けをとっていない。

ショットはもちろん、そのプレー1つ1つに絶対に負けないという気迫が感じられる。


「やるじゃねぇか、順平。」

「今日は、絶対に負けません!」


順平の言葉から強い決意を感じた元木。

ついこの間まで、ちょっとしたことにつまづいて悩んでいたのに。

後輩が、まだ荒削りではあるが成長している姿が嬉しかった。


が、しかし。

元木は唇をかみしめた。

まだまだお前に負けるわけにはいかんよ。


順平がこの日一番のヘアピンを打った。

まさにネットに触れるか触れないか。

タッチもコースも文句のつけようがない。


これならプッシュは打てないはず。

順平はロブかクロスネットを予想していた。


だが、次の瞬間。

元木が打ったのはロブでもクロスネットでもなく、鋭いプッシュだった。


そんな・・・あの高さで、打てるわけ・・・


まったく予想外のリターンに呆然とする順平。

そんな彼に元木は冷ややかに言った。


「おいおい順平。前衛だったら最後までプッシュを狙うのは当然だろ?」

ポイント

バドミントンダブルスの前衛は、後衛と違い、いつもネットを意識しなくてはいけません。

どんなに強い返球でも、ネットに触れては水の泡です。

しかし、安全策ばかりではゲームの主導権を握ることはできません。


今回元木が使ったのは、ネットより低いシャトルを一旦持ち上げ、すぐさま面をかぶせる高等テクニック。

2度打ちギリギリの強引な技ですが、覚えておけばプッシュで積極的に押し込めるシーンが増えます。


もちろんすべてプッシュで返すというのは無理ですが、常に攻める姿勢を持ち続けるのは大切なことです。


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