バドミントン用シャトルの原料「水鳥羽根」。
主にガチョウやアヒルの羽根が使用されています。
ところで、ガチョウ羽根とアヒル羽根って何が違うのでしょうか?
また、シャトルの羽根の話をするとたまに出てくる「夏羽根・冬羽根」・「右羽根・左羽根」って一体なんなのでしょうか?
まず、ガチョウ羽根とアヒル羽根の違いからお話ししたいと思います。
どちらも家畜として一般的なカモ科の水鳥ですが、ガチョウ羽根は薄褐色、アヒル羽根は白色をしています。
そして、一般的にはガチョウ羽根の方がアヒル羽根に比べ、軸が太く耐久性があるといわれています。
価格の高いシャトルにガチョウ羽根が使われることが多いのもこのためです。
実際、日本バドミントン協会が定める1種検定合格球の基準にも、ガチョウ羽根を使用していることが条件として明記されています。
しかし、シャトルに使われる水鳥羽根は天然素材。
そのガチョウやアヒルの育成環境や保管状況などにより品質が変わってきますので、一概にはいえないところです。
次に、「夏羽根」と「冬羽根」の違いです。
これはその羽根が取られた時期によっての呼び分けです。
ペットを飼っている方ならおわかりかと思いますが、動物は季節によって毛が生え変わります。
水鳥も同様で、夏は風通しをよくするために薄い夏羽根、冬は寒さを防ぐために厚い冬羽根に生え変わります。
冬羽根は、軸も太く羽がしっかりと付いているので肉厚の上部な羽根と言われています。
そのため、一般には、夏の時期に出回る冬に取られた羽根を使って作られたシャトルの方が耐久性が高いといわれています。
最後は、「右羽根」と「左羽根」です。
人間にも右手・左手があり、微妙に大きさや形が違うように、水鳥の翼も右と左で微妙に違います。
そこで、右の翼からとれた羽根を「右羽根」、左の翼からとれた羽根を「左羽根」といって区別しています。
一般に、心臓を守る左の翼についた羽根のほうが厚みがあるため、左羽根でつくったシャトルの方が耐久性が高いといわれています。
右羽根・左羽根の話が出たところでもう1つ補足しておくと、バドミントンのシャトル1つ1つは、右羽根・左羽根のどちらかだけで作られています。
そうでないと羽根の微妙な巻加減や反りの差で安定して飛ぶシャトルにならないからです。