ホームポジションに戻れない人の悪い癖

ホームポジション

「シャトルを打ったら素早くホームポジションに戻りなさい。」

バドミントンをはじめた初心者が必ず受けるアドバイスだ。

前後左右、シャトルがどこに飛んできても対応できる位置に素早く戻るのは、レシーブの基本と言える。

だが、それがわかっていても戻れず、苦労しているプレイヤーがいた。

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ホームポジション。

パソコンのキーボードを打つ際の基本の位置。

そしてバドミントンで次のプレーをスムーズに行うための基本の位置。

どちらも大事な大事な基本だ。


それがわかっているからこそ、素早くホームポジションに戻ることを心がけている順平。

しかし、戻る前に相手は次の球を打ってくる。

高く長く返して時間を稼ぐ、すぐに戻る意識を強める、などあれこれやってはいるのだが間に合っていないことが多い。


いつもならここで思考の迷路に迷い込んでしまう順平。

だが、今日は少し違った。


それなりに意識しても解決しないということは、何か他に原因があるのではないか。

そう思いなおして、別の対策をとることにした。


まずはホームポジションに素早く戻っている人と自分は、何が違うか比べてみよう。


真っ先に思い浮かんだのは、我がチームのレシーブプリンセス、優子。

よし、今日は優子さんを徹底マークだ。


ゲーム練習の時間がやってきた。

優子の出番を待つ順平。


相変わらず安定した余裕のレシーブを見せる優子に、順平は感嘆のため息を漏らした。

シャトルを打ち返した瞬間にはホームポジションへの一歩を踏み出している。

やっぱりこの人は、すごい。


だが、感心してばかりでは解決策は見えてこない。

注意深くゲームを見守る。

しかし、結局一歩目が速いということ以外、見えてくるものはなかった。


現状打破の糸口がつかめず、少しガッカリした順平。

だが、ヒントは意外なところに転がっていた。


それはゲームが終わった後の優子とパートナーの会話。


「それにしても優子さんって反応速いよね。」

「そんなこと・・・ない。」

「いや、だって打ったと思ったらもうホームポジションに戻ってるし。」

「打ったら・・・すぐ・・・動いてる・・・から。」

「いや、それができないからみんな苦労してるんだって。」

「・・・みんな・・・シャトル・・・見過ぎ。」


!!


この一言で順平はひらめいた。

そうか、そういうことだったんだ!!

ポイント

高速で飛んでくるショットを正しく打ち返すには、当然しっかりシャトルを見なくてはいけません。

しかし、自分が打ち返したシャトルや、明らかにパートナーに向かって飛んだシャトルを必要以上に注意深く見ても良いことはありません。

フットワークや反応のせいだと考える人は多いですが、この「シャトルの見過ぎ」で、一歩目が遅い人は意外に多いものです。


サイドアウトにならないかな。

ちゃんとネットを越えるかな。


そう思ってじっと見てしまうこと、ありませんか?

いくら見ても、アウトになるものはなるし、ネットにかかるものはかかります。


とは言っても、つい見てしまうのが人間の心理ですよね。

そこで1つすぐにできる心理的な対策をご紹介しましょう。


たとえば、「緊張しないようにしよう。」と思っても、緊張してしまうことってありますよね。

逆に「リラックスしよう」と意識すると、すんなり緊張がとれます。


このように、人間には「~しない」という否定語より、「~しよう」という肯定語の方が受け入れやすい心理傾向があります。

これを利用して「シャトルを見過ぎないようにしよう。」ではなく、「打ったら次の行動を取ろう。」と意識すれば良いのです。


同じ意味合いでも、アプローチの方法が変われば、結果も大きく変わります。

意識してもうまくいかないときは、一度試してみてください。


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