バドミントンが初めて産声を上げたのは、1870年代のイギリスと言われています。
さて、そのバドミントンはどのような歴史を経て、今のように日本で楽しまれるようになったのでしょう。
バドミントンが日本に持ち込まれたのは、1921年頃で、横浜がその発祥の地と考えられています。
当時横浜Y.M.C.A(Young Men's Christian Association=キリスト教青年会)に体育主事として勤務していた広田兼敏氏が、アメリカ人のY.M.C.A名誉主事、スネード氏よりバドミントン用具を寄贈されたことに端を発します。
送られてきた道具を見た広田氏は、体力と俊敏さを鍛えるのに最適なバドミントンを体育活動に取り入れようと、在日欧米人によって運営されているスポーツクラブを訪ね歩き、バドミントンの指導を受けます。
そして1933年には、体育活動の一環としてプレイされるようになり、1937年には日本で最初のバドミントンクラブが設立されたそうです。
こうして日本ではじまったバドミントンでしたが、第二次世界大戦が始まると、その普及活動は一時中断されます。
しかし戦争が終わってすぐの1946年には、全国各地のY.M.C.Aやスポーツクラブで活動が再開され、同年11月2日には財団法人日本バドミントン協会が設立されます。
そして1948年、日本バドミントン協会は日本体育協会に参加し、第1回全日本総合バトミントン選手権大会を開催します。
また1949年の第4回国民体育大会では、バドミントンが正式競技種目に採用され、1950年には全日本学生バトミントン選手権、1951年には全国高等学校体育大会バトミントン競技大会、実業団バトミントン選手権が開催され、いよいよ国内で本格的な普及が始まっていきます。
そしてこの普及を後押ししたのが、1952年の国際バトミントン連盟への加盟と、国際大会での日本勢の活躍です。
1954年には男子チームが第3回トマス杯大会アジア予選に出場。また湯木博恵選手を中心とした女子チームが、最も権威ある国際大会の1つであるユーバー杯で初出場・初優勝を飾っています。
この女子チームはその後も4回の優勝を成し遂げ、日本バドミントン界に輝かしい歴史を残しました。
その後日本勢が、1992年の第25回バルセロナ大会以降出場を積み重ね、活躍しているのは皆さんもご存知のとおりです。
なお余談ではありますが、横浜はバドミントンばかりではなく、約110年前に日本で初めてテニスが行われ、1878年に国内最初のテニスクラブが誕生した地でもあります。
山手公園にはテニス発祥記念館があり、当時のウェアやラケットを見学したり、歴史を勉強することができます。同じラケットスポーツとしてこちらも興味深いですね。