なぜあの人はレシーブが下手なのか

レシーブ

レシーブがうまくいかないという後輩の相談に乗る順平。

2人で試行錯誤するのだが、なかなかタイミングが合わない。

そんな2人に、優子は・・・

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「ほら、またタイミングがズレてる。もっと速く!」

「さっきは一呼吸置いてって言ったじゃないですか!!」

「そんなの球に合わせて変わるに決まってるだろ!!」


後輩の指導に熱を入れる順平。

しかし、なかなか良いタイミングでのレシーブができない。


同じ苦労をしているので後輩の気持ちはよくわかる。

しかし、こればかりは自分で感覚を掴むしかない。


バドミントンは、常に動きながら小さなシャトルを打ち合うスポーツ。

ほんのわずかなタイミングのズレが、レシーブの成否を分ける。

よりコンパクトな展開が多いダブルスではなおさらだ。


ずいぶん遅い時間になってしまった。

順平は、練習を切り上げることにした。


「今日はこれくらいにしておこう。」


後輩は、まだやり足りないという顔をしている。

その気持ちもわかる。

うまくいかないのに、途中で切り上げるのは気分が悪いものだ。


「焦っても仕方がないよ。フットワークの練習を継続すること。あと膝でタイミングを取るのを忘れないこと。いいね?」


次の練習日。

全体練習が終わると、順平は後輩の指導を再開した。

しかし、やはりうまくいかない。


そんなときだった。


ガラガラ・・・


体育館の扉が開く。

そこには、我がチームが誇るレシーブプリンセス優子が立っていた。


「あっ、優子さん。どうしたんですか?」

「・・・2人に・・・アドバイス・・・しようと・・・思って・・・」

「えっ?それでわざわざ戻ってきたんですか?練習中に言ってくれたら良かったのに。」


順平はクスリと笑った。

何とも優子らしい。


いつものことながら間の抜けたことをしてくる。

だが、バドミントンの腕は一級品だ。

どんな相手でも安定したダブルスを展開する優子が、どんな助言をしてくれるのか。

期待を込めて、次の言葉を待つ2人。


「順平君は・・・大縄飛び・・・得意?」

「えっ?いや、まあ普通に飛べると思いますけど。」

「回ってる縄に飛び込む・・・タイミングって・・・難しく・・・ない?」

「うーん、最初は難しいですけど、しっかりリズムをとってから入れば結構カンタンです。」

「・・・じゃあ、レシーブのタイミングを・・・取るには・・・どうすれば・・・いいかな?」

「そりゃぁしっかりリズムを取って・・・あっ!」


順平はハッとした。

こんな基本的なことを見落としていたなんて・・・

慣れの怖さを再認識する順平であった。

ポイント

レシーブのタイミングがとれない人の大きな特徴。

それは、「ラリーのリズムに乗れていないこと」です。


バドミントンのレシーブは、タイミングが命。

そしてそのタイミングを取るために大切なのが、ラリーのリズムを読むことです。


リズムが見えなければ、もっと速く動くべきなのか、それとも遅く動くべきなのかがわかりません。

これではいくらがんばっても、良いタイミングは取れません。

優子さんの話に出た大縄跳びだって、縄が速く回っているのか、遅く回っているのかわからなければ、引っかかってしまいますよね。


また、ラリーのリズムが見えない人は、自分のプレーに「こんな展開を作ろう」という意図がないことがほとんどです。

これでは、次にどう動くべきかは、相手がシャトルを打つまでわかりません。

それで足が止まり、タイミングを取れなくなってしまうのです。


ラリーの展開に合わせたリズムを取れないバドミントンは、相手次第の消極的なゲームになりがち。

こちらが主導権を握れるよう、常に意識するようにしましょう。


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