相手にナメられるダブルスペアが犯す過ち

ダブルス

隣町のバドミントンチームとの合同練習にのぞむ順平たち。

日頃の成果を発揮すべく、ダブルスのゲーム練習に入ったが結果は惨敗。

そんな順平に後衛のスペシャリスト大垣は・・・

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(くそっ、こんなにレベルが違うなんて・・・)


コート上の順平は、相手ダブルスペアの底知れぬ力に脅威を感じていた。

パートナーに至っては完全に戦意を喪失している。


序盤から積極的に攻撃を仕掛けたのだが、相手の勢いはまったく衰えない。

そして数分後、ゲームはあっさりと終わった。


負けたときに大切なのは、そこから何を学ぶかだ。

しかし、順平は途方に暮れていた。


何をどうすれば良いのか、イメージがわかない。

敗因はすべてのレベルで相手より劣っていたとしか言いようがないのだ。


(とにかく1からやり直そう)


そう思っていると、後ろから肩を叩かれた。

我がチームが誇る後衛のスペシャリスト大垣である。


「お疲れ、順平ちゃん。あれだけ豪快に負けるなんて。才能ないんじゃないの?」

「・・・大垣さん・・・ダジャレが受けないからって毒舌キャラに転向ですか?」


大垣は数回頭を掻いた。

さすがに少し言い過ぎたと思ったようだ。


「それで順平ちゃん。今回なんで負けたかわかった?」

「・・・全部です。どの面でも相手の方が上手だった。それだけのことです。」


ため息交じりにそうつぶやく順平。

しかし大垣は、それに同意はしなかった。


「そんなことはないよ。現に何点か取ってるわけだし。」

「そんなのたまたまですよ。実際どんなに攻めても強打で返されていたじゃないですか。」


その言葉を聞いた大垣が、なぜか笑い出した。

人が落ち込んでいるのに・・・

順平はムッとして大垣を問い詰める。


「何で笑うんですか?こっちはまじめなんですよ!」

「ごめんごめん。でもしょうもない勘違いをしているなと思ってさ。」

「えっ?勘違い?」

「そう。君たちは『攻めているつもり』だった。だけど実際には攻めていなかった。だから負けた。それだけのことだよ。」


何を言っているのか全くわからない順平。

目が点になっている。

大垣は、次の試合に向かうべく立ち上がった。


「相手がシャトルを下から打ったリターンは何回あった?よーく思い出してごらん。」

ポイント

バドミントンダブルスの基本は、「相手のいやがる攻撃をすること」。

しかし、実際には「攻めているつもり」になっているだけの人が多いものです。


彼らはこう思います。


「スマッシュをたくさん打っている。

 力のあるドライブを打っている。

 こんなに攻めているのに、どうして点が入らないんだ。」


気持ちはわかります。

しかし、それを相手が脅威に感じていないのでは話になりません。


こんなことがないように、「攻めているつもり」と「攻めている」の違いを明確にしておく必要があります。


攻めている(ゲームを優位に進める攻撃ができている)一番わかりやすい基準は、「相手が下からシャトルを打っている」ことです。


いくら遅い球でも、相手が低い打点で取っている限り強打は来ません。

たとえ決まらなくても、攻撃の主導権はこちらにあります。


しかし、相手がシャトルを上から打っていれば、有効な攻撃をしているとは言えません。

コースを突いた・強打が打てたと思っていても、主導権は相手にあるのです。


有効打は、相手の位置・得意不得意などによって変わってきます。

固定観念に縛られず、ゲームを優位にできる攻め方を見極められるプレーヤーになりましょう。


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