攻めきれないダブルスペアの特徴

ダブルス

次の市民ダブルス大会に向け、目下猛練習中の順平。

しかし彼は、1つの問題を抱えていた。

それは、なかなか攻撃に転じられないこと。

試行錯誤を繰り返す順平に、チームのレシーブプリンセス優子は・・・

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「順平、もっと攻めろよ。バドミントンは攻撃しなくちゃ勝てないぞ。」

「はぁ。まあそうなんですけど・・・」

「何だよ歯切れが悪いな。まぁダブルスは1人でやるものじゃないしな。パートナーとよく話し合っておけよ。」

「はい。」


先輩ペアとのゲーム練習が終わる。

今ひとつ波に乗り切れず、不完全燃焼な感がぬぐえないゲームになった。


原因ははっきりしている。

先輩にも指摘された通り、攻めている時間が少ないことだ。


実戦では、相手は当然こちらの攻撃を封じる配球をしてくる。

なかなか攻められないというのは、ある意味当然のことだ。


しかし、そんなことは言い訳にしかならない。

それを踏まえた上で、少しでも攻撃の時間を増やさなければ勝つことなどできるわけがない。


わかってはいるけれど、具体的な改善策となるとなかなか難しい。

そんなことを考えていると、いつの間にか夕方になっていた。

そんな時だった。


「熱っ!!」


首筋に熱を感じ、順平は飛び上がった。

振り返るとそこには、我がチームが誇るレシーブプリンセス優子が立っていた。

その手には、なぜかホットコーヒーが持たれている。


「優子さん!もう夏なんですからこういうときは冷たいコーヒーでしょ!」


冷たければ良いというものでもない気がするが・・・とりあえず突っ込む順平。

優子はそれを真に受けたのか、頭を掻いている。


「とにかく今考え事をしてるんで邪魔しないでください。」


そういって対策に戻ろうとする。

だが、彼女はそんな順平を引き止めた。


「・・・順平・・・くん・・・ちゃんと・・・フットワーク・・・練習・・・してる?」


予想外の質問に、少し驚いた順平。

しかし、すぐに思い直した。


「当たり前ですよ。サイドステップにクロスステップ・・・毎日欠かさず練習してます。」


チームの誰よりもやっているという自負もあって、自信満々に答えた。

しかし、この答えは優子を満足させるには至らなかったようだ。


「・・・それって・・・横の移動に使う・・・フットワーク・・・だよね。」

「えっ、あっ、そう言われればそうですね。」

「・・・攻撃に移る時の・・・フットワークは・・・横じゃ・・・ないよ。」

ポイント

なかなか攻撃に移れないダブルスペアは、意外に多いもの。

しかし、ただ待っていてもチャンスは来ません。

守りから攻めに転じる一手とは」でもご紹介したとおり、少しでも相手に隙があれば、多少強引にでもトップ&バックの体勢を取る必要があります。


この際、大切になってくるのが素早い前後への動き。

しかし、一般に言われるフットワークは、サイドステップやクロスステップなど、「横への移動」に使う足使いの練習がほとんど。

前後移動の練習は、ノックかゲーム練習くらいしか行われない場合がほとんどです。


もちろん、横移動の練習は大切です。

しかし、バドミントンは攻めて点を取らなければ勝てない競技です。

もしなかなか攻められないと感じているのなら、今日から前後の動きを練習の中で増やしていきましょう。


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