なぜそのバックハンドは弱くなってしまうのか?

バックハンド

バックハンドになると、とたんにショットの威力が落ちる弱点を抱える順平。

もともとの苦手意識も手伝って、やればやるほど威力が落ちてゆく。

闇雲に練習する順平に、サーブリターンの達人ミチルは・・・

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「何なのよ!そのヘロヘロしたリターンは!!あんた男でしょ!?」


サーブリターンの達人ミチルの怒号がコートに響き渡る。

ママさんメンバーが連れてきた子供が泣き出した。


順平が指摘されているのは、バックハンドでのリターン。

手を変え、品を変え改善を試みるが、どうしても強いショットが打てない。


バックハンドはバドミントンにおけるレシーブの要。

サーブリターンでの使用頻度は特に高い。

ラリーの主導権を奪われないためにも、力強く返したいところだが、そう簡単にできれば苦労はしない。


ゲーム練習が終わり、解散の時間がやってきた。

数人の自主トレメンバーを残し、それぞれが帰途につく。

もちろん順平の練習はまだまだ終わらない。


たまたま残っていた後輩に球出しを頼み込み、特訓に打ち込む順平。

しかし、なかなか思うような球は打てない。


その時だった。


「ちょっとあんた!後輩がかわいそうでしょ!?やるなら1人でやりなさい!!」


ミチルだった。

確かに、後輩もそろそろ帰りたそうだ。


急に申し訳ない気持ちになってきた。

その様子に、ミチルはヤレヤレという表情を浮かべた。


「仕方ないわね。あんたのしょうもない弱点、今から直してあげるわ。後輩君、もうちょっとだけ付き合ってね。」


そう言ってコートに入ったミチルは、なぜか順平の後ろに立った。


「あの、ミチルさん。何をする気ですか?」

「余計なことは言わないでよろしい!じゃぁ、後輩君お願い。」


ミチルの指示で球出しをする後輩。

順平がバックハンドで打とうとしたその時だった。


グッ


順平の左肩が押された。

そして打ち出されたシャトルは、これまでにない力強さで飛んだ。


何が起きたかわからず呆然とする順平に、ミチルは一言だけ残し、去っていった。


「感覚掴んだ?あとは自分で何とかしなさい。」

ポイント

ミチルさんは、どうやって順平君のバックハンドを矯正したのでしょうか。

彼女がしたことは1つだけ。

それは、「順平君が、左肩を引けないようにした」ことです。


バックハンドでのレシーブは、左肩を少し引くと打ちやすくなります。

しかし、この動作がショットの威力を落とします。

体が後ろにぶれるため、ラケットを前に出す力が相殺され、スイングの力がラケットに伝わらないからです。


フォアハンドに比べると打ちにくいバックハンド。

少しでも打ちやすい体勢をとりたくなる気持ちはわかります。

しかし、それでショットの質が落ちてしまっては元も子もありません。


強いバックハンドが打てると、バドミントンの幅はぐっと広がります。

自分のショットに威力がないと思ったら、まずこの癖がないかチェックしてみましょう。


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