粘り強い相手とはこう戦え

前衛

町のオープンバドミントン大会に出場した順平。

その2回戦であたった相手の粘り強さにリズムを崩されてしまう。

苦戦を強いられる順平に、元木は・・・

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(くそ、これでもついてくるのか・・・)


順平は、相手のプレーに言い知れぬ不安を感じていた。

嫌な汗が気持ち悪い。


町のオープンバドミントン大会に出場した順平。

順調に初戦を突破してのぞんだ2回戦。


先手必勝とばかりにラッシュをかけたが、粘り強いプレーで持久戦に持ち込まれてしまう。

何をやっても拾われ、こちらの隙をきっちり突いて着実に得点を重ねてくる。

徐々に広がる点差。

突破口が開けないまま、結局第1セットを落としてしまった。


間もなく始まる第2セット。

しかし、順平の気分は晴れない。


自分では勝てないのではないか。

相手が怖くなってきた。


そんな順平の肩がポンと叩かれた。

振り返ると、そこにいたのは前衛マエストロこと元木だった。


「よう、苦戦してるみたいだな。」

「・・・元木さん。」


順平の態度から、その不安を悟ったのだろうか。

元木が話を続けた。


「おいおいしっかりしろよ。お前の実力なら勝てない相手じゃないぞ。」

「で、でも。何をやっても拾われちゃうし・・・」


元木は頭を掻いてから、順平の背中を力強く叩いた。


「じゃあ、何もしなきゃいいだろ。」

「えっ?」

「いや。相手は特に決め球持ってる訳じゃなさそうだ。お前が焦って隙を見せなきゃいいだけの話じゃないのか?」


そこで第2セット開始のコールがあったため、話は打ち切られた。


コートに入り、元木の言葉を思い起こす順平。

確かに、相手にはエースショットはないよう。

失点はすべてこちらのミスから生まれたものだ。

だったら、こちらがミスさえしなければ・・・


気持ちが楽になった順平

とにかく焦らないことだけに意識を集中して第2セットにのぞむ。


しばらくすると、相手はネット際の攻撃に対して、ミスが多いことがわかってきた。

よし、前衛を集中攻撃だ。


1点、そしてまた1点。

順平ペアの得点シーンが多くなってきた。


その様子に、元木は腕組みをしながらつぶやいた。


「やれやれ。毎度世話焼かせやがるぜ。」

ポイント

粘り強い相手と戦うときに覚えておきたいこと。

それは、「粘り強い相手は、決め球がないから相手が崩れるのを待っていることが多い」ということです。


逆に言えば、こちらが調子を崩しさえしなければ、相手は何もしてきません。

そう考えるだけで、気持ちに余裕が出てきませんか?


一旦落ち着ければ道は開けます。

あとは、ゆっくりと相手の弱みを見つけ、自分たちのできるプレーをすれば良いのです。


どんなプレーヤーにも、長所と短所があります。

相手の長所ばかり見ていては、前に進めません。

どうすれば勝てるかに目を向けるようにしましょう。


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