なぜ彼のサーブリターンは上達しないのか

サーブリターン

サーブリターンに課題が残る順平。

いつものバドミントン教本を片手に練習するが、なかなか思うようにいかない。

そんな順平にミチルは・・・

スポンサード リンク


「あ~、またやっちゃった。」


コートに響く順平の声。

低めにコントロールできなかったサーブリターンは、相手前衛の格好の的だった。


不甲斐ないプレーに、コンビを組んでいたサーブリターンの達人ミチルが雄叫びを上げる。


「あんた、そのヘッポコリターンは何!?」

「す、すみませーん。」


胸元にくるサーブを上げてしまうのは、バドミントンを始めた頃からずっと抱えている順平の弱点だ。

このせいで、今までどれだけのゲームを落としてきたか。


30分にわたる説教の後、ミチルは言った。


「次に組むまでに直ってなかったら、どうなるかわかってるでしょうね?」


翌日。

順平は、山のようなバドミントン教本を持って体育館にやってきた。


今こそ長年の課題を乗り越える時だ。

そうでなければ・・・ミチルに何を言われるかわかったものではない。


・ 一歩目の出だしを速くして、体勢を整えてから打つ

・ 手首の向きを下げる

・ ネットにかするくらいのコースをイメージする

 

教本には様々な解決策が載っていた。

練習が始まるまでの時間を使い、その1つ1つを、暗記するまで読み込む順平。


やがて練習が始まった。

早速、苦手な胸元へのサーブが来た。

頭の中で教本のページをめくる順平。

だが、心の声が脳裏をかすめる。


(出だしを速くしたらタイミングがズレるんじゃ・・・手首の向きを変えたら・・・ネットにかするコースは低すぎなんじゃ・・・)


結局、いつものように浮いたリターンになってしまう。

その後、何度やっても結果は同じだった。


何の収穫もないまま、練習が終わった。

背後からため息が聞こえた。

そこにいたのは、呆れ顔のミチルだった。


「あんたバカじゃないの?練習で失敗を恐れてどうするのよ!」

ポイント

大きな書店には、バドミントン関連の本が何冊も並んでいます。

感心するほど情報量豊富なバドミントンサイトもあります。

熱心な指導者の方もたくさんいらっしゃいます。

バドミントンを学ぶには本当に恵まれた環境です。


しかし、こういう恵まれた環境で熱心に練習していても、上達できる人とできない人がいます。

なぜか。

それは、「彼らが知っていても考えてばかりで行動しないから。」です。


知識はあるのに、失敗や失点が怖い。

自分のプレーを変えるのが怖い。

そうして同じ場所で足踏みし、上達のチャンスを自ら放棄してしまうのです。


ミスなくして上達はありえません。

そして、何度でもミスをできるのが練習です。


実戦形式の練習で、本番と同じくらい失敗を嫌がる選手がいますが、まったくのナンセンス。

何点取られても、たとえ負けても、得られるものがあればそれで良いのです。


サーブやサーブリターンなど。

1回のミスが失点につながるプレーでは、特にこの傾向が顕著です。

頭でっかちのプレーヤーにならないよう、どんどん挑戦できる心を持ってくださいね。


スポンサード リンク

関連記事