知らないと取り残されるサーブの流行

サーブ

バドミントンダブルスで圧倒的主流になったバックハンドサーブ。

世界レベルの選手から子供まで、誰もが当たり前のように使っている。

ただ、その真の意味を知らないプレーヤーはあまりにも多い。

・・・彼もまたそんな多くのプレーヤーの1人だった。

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「じゃぁ、よろしくお願いします。」

「順平くんがどれだけ腕を上げたか、楽しみだよ。」


コートに相対する順平と、サーブのクリスこと、クリス花柳。

久しぶりの顔合わせに、順平の胸は高鳴る。


サーブを知り尽くすクリスは、サーブリターンも一流だ。

少しでも甘いコースに打とうものなら、一発で決められてしまう。

とにかく丁寧に、慎重なサーブを心がけなくては。

順平はラケットを握りしめた。


そんな誓いを胸に、ゲームを進める順平。

思い通り、とまでは行かないまでもイージーなミスは出ていない。


(うん、この調子だ♪)


結局、第1セットは僅差で落としてしまったが、自分なりの手応えを掴むことができた。

だが、インターバルに入ると、クリスは厳しい口調で順平に話しかけてきた。


「君は、コートを大きく使うスローテンポなラリーから点を取るのが持ち味じゃないのかい?」

「えっ?そ、そうですけど。」

「だったら、その持ち味を活かせるゲームをしたまえ。」


クリスの真意がわからず、言葉に詰まってしまった順平。

その様子を見て、クリスはため息をついた。


「君は、何でバックハンドでサーブを打つんだい?」


大切なことを聞かれている。

それはわかっていた。

しかし、頭のどこを探しても、クリスが満足しそうな答えは見つからなかった。

結局、順平は思った通りのことを口に出した。


「それは・・・みんなやっているからです。初めて教わったサーブもバックハンドだったし。」


それを聞いたクリスは、海外のコメディアンのように大げさなジェスチャーをとった。


「信じられない・・・アンビリーバボーだよ、順平くん。」

「えっ?」

「君は、サーブの何たるか、バドミントンの何たるかを全くわかっていない!!」

ポイント

バックハンドサーブがフォアハンドサーブより優れている点は何でしょうか?

コントロールが付けやすいことでしょうか。

それとも、モーションが読まれにくいことでしょうか。


もちろん、そういったメリットもあります。

しかし、今のバドミントンにバックハンドサーブが多用される理由は他にあります。


それは、フォアハンドサーブより前に打点を置けるため、今主流になっているスピーディなラリーに対応できること!


ですから、バックハンドサーブを練習するなら、よりコンパクトでスピーディなスイングを第1目標にするべきです。

逆に、今のバドミントンの流行を知った上でスローなラリーを選ぶなら、無理にバックハンドサーブを取り入れる必要はありません。

距離と高さが出しやすい、フォアハンドサーブを活用していきましょう。


何となくやっていることが機能するほど、バドミントンは甘くはありません。

バドミントンの流行にアンテナを張りつつ、自分のスタイルを見極め、目的を持ってプレーを磨いていきましょう。


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