そのバックハンドが飛ばない理由

バックハンド

新人にバックハンドの指導する順平。

バドミントンのレシーブの8割を担うスイングだけに、指導にも熱が入る。

そこに割って入ったのは・・・

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「そうそう。面をしっかり意識して。」

「はっ、はい。」

「ほら。今度はスピードが足りない。そんな球返したら一発で打ち込まれるよ。」

「は、はい。でも順平さん、バックハンドってなかなか飛びませんね。」

「何言ってるの!そういう弱点をつくるとバック側を狙われるよ。」


コートに大きな声が響き渡る。

今日、順平が教えているのはバックハンド。

マンツーマンで指導している成果か、だいぶ形になってきた。


新人を指導するようになってどれくらい経つだろう。

順平のコーチぶりもずいぶん板についてきた。


ただ・・・

今日の順平は心で冷や汗をかいていた。

正直な話、順平もそれほどバックハンドは得意ではないのだ。


「順平さん。どうすればバックハンドでもっと強い返球ができるんですか?」


き、きた・・・

恐れていた質問にたじろぐ順平。

必死で言葉を探す


「そ、それは・・・と、とにかく腕をもっと鋭く振るんだよ。」

「・・・」

「もっとコンパクトに鋭く振れば、飛ぶようになるよ。ほら無駄口叩かないで練習練習!」


どこか納得のいかない態度の新人。

冷や汗をかく順平。


「ふーん。無能もそこまでいくと犯罪レベルね。」


聞き覚えのある声に振り返ると、そこにいたのはサーブリターンの達人ミチルだった。


「あんた、新人に適当なこと教えないでくれる?自分一人ヘタならともかく人を巻き込むのはどうかと思うわ。」

「ミ、ミチルさん・・・」

「大体何?コンパクトに鋭くって。教科書そのまま読みあげて納得してもらえると思ってるの?」

「ギクッ!」


図星をさされ、狼狽する順平。

そんな順平の心の内を知ってか知らずか、ミチルは話を続けた。


「まあ良いわ。あなた見本を見せてあげたら?」

「え?見本ですか?」

「だって先輩でしょ?」


緊張感をおぼえながら言われた通り、バックハンドのレシーブを数回見せた順平。

すぐにミチルのダメ出しが入る。


「はいストップ。もう良いわ。」

「えっ?」

「そんなガサガサに荒れたヒジ見せないで。」

「しょうがないでしょ。僕、乾燥肌なんだから。」


ミチルはうんざりした表情で首を振った。


「ガサガサでもプルプルでも関係ないから。そのヒジに注意しろって言ってるのよ。」

ポイント

「大振りすると逆にシャトルは飛ばなくなる。」

「コンパクトなスイング。」


どのバドミントン教本を見ても必ず書かれていますよね。

でもなぜ大振りしてはいけないのでしょうか?

その本質を理解しない限り、力強い返球はできません。


シャトルのスピードを半減させているのはミチルさんも指摘していたヒジです。

大振りすると、どうしてもヒジが先に出る腕の曲がり過ぎたスイングになります。

するとシャトルにまっすぐ力が伝わらず、面が立たないため、力のない浮いたショットになってしまうのです。


バックハンドはフォアハンドよりラケットが振りにくいため、ヒジが先行したスイングになってしまいがち。

思い当たる人は、今日からヒジが出すぎていないか意識してみましょう。


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