左利きのパートナーを最大限に活かす方法

左利き

初めて組む左利きのパートナーとのプレーに戸惑いを覚える順平。

だが、順平は気づいていなかった。

左利きのパートナーがいることで得られる攻撃面でのメリットに・・・

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ガチッ!

相手のセンターへの返球に、ラケットがぶつかってしまう順平ペア。


「ご、ごめん。」

「いえ、こちらこそ。」


今日、順平がコンビを組むのは左利きの新人。

これまで右利きのパートナーとばかりゲームをしてきた順平には、戸惑うことばかりだ。


自分が右サイドにポジションを取ると、どちらにとってもセンターがバックハンドレシーブになってしまう。

逆に、自分が左サイドにポジションを取ると、ラケットがぶつかってしまうのだ。

攻撃の際も同様、バックハンドとフォアハンドの違いが微妙な違和感を生む。


「ふーっ・・・」


ゲームが終わり、ドッと疲れを感じる順平。

左利きとのゲームがこんなに疲れるものだとは思わなかった。

やっぱり自分は右利きのパートナーと組むほうが楽だ。

・・・でも、利き腕を変えてくれ、なんて言えないしなぁ・・・


「どうしたの順平ちゃん、そんなに疲れた顔をして。」

「あ、大垣さん・・・実は・・・」


声をかけてきたのは後衛のスペシャリスト、大垣だった。

経験豊かな大垣なら、うまい方法を知っているだろうか。

さっそく相談を持ちかける順平。


「なるほどね。そりゃ大変だったねぇ。僕も苦労したよ。」


自分の苦労に同調する大垣を見て、順平は思った。

やっぱり、左利きのパートナーと組むのは大変なのだ、と。


「でも。」


大垣は言葉を続けた。


「センターへの返球は少しポジションを変えれば良いじゃないか。お互いがバックハンドになるときは間を詰めれば良いし、逆の場合は間を離す。すぐに慣れるよ。」

「は、はぁ。」

「そんなことより順平ちゃん。サウスポーと組む攻撃面でのメリットを見逃すなんてもったいないよ。」

ポイント

バドミントンダブルスで右利きと左利きが組む場合、一番の弱点になるのが守備。

ストーリーでも紹介した通り、右利き同士が組む場合とは違うポジションを取り、コミュニケーションを密にする必要があります。


その一方で、攻撃面では大きなアドバンテージがあるのもこのコンビの特徴です。

それが前衛と後衛の入れ替え「ローテーション」を使った攻撃。


通常、右利き同士のローテーションでは、後方のプレーヤーが反時計回りに前に出ます。

しかし、左利きのプレーヤーがいれば、時計回りに動くパターンを加えることができます

これを活用することで攻撃の幅は一気に広がります。


また、「クロスファイア」を打てるのも左利きの特徴。

レシーブ力のあるプレイヤーでも取りにくい、強力な武器です。


このように、守備での不利を克服し、攻撃面でのメリットを伸ばすことで、より優位にゲームを進めることができるのです。


※ クロスファイア

サウスポーのプレイヤーが打つカットスマッシュのこと。左巻きというシャトルの構造上シュート回転がかかり、レシーバーから逃げていく変化球のようなコースを描く。


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