バドミントン、特にダブルスでよくあるドライブの打ち合い。
ここからゲームの流れが生まれることも多いだけに、しっかりと対処していきたいところ。
ドライブの得意な相手に危機感を抱く順平に、前衛マエストロ元木は・・・
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ドライブで打ち負けるときの秘策
ビシッ。
順平は下唇を噛んだ。
ドライブの打ち合いで押し込まれ、不利な体勢になったところで決め球を打たれた。
今日の練習相手は、めっぽうドライブが強い。
打ち合いになれば不利になるとは思っていたが、まさかこれほどとは・・・
『ドライブの打ち合いは気合いの勝負。下がったほうが負ける。』
そんな先輩のアドバイスを聞いていたので、絶対に退かない覚悟でのぞんだ。
もちろん、そういう気持ちは大切だ。
互角の力を持っていれば、最終的に勝負を決定づける要因にもなるだろう。
しかし、力の差がある現状では、気合いより先にするべきことがあるような気がする。
全体練習終了後、自主トレに励む順平。
やるのはもちろんドライブだ。
無心にラケットを振る。
しかし、心の中の不安は消せない。
もっと前に出るドライブを打つ練習はもちろん大切だ。
だが、それを身につけるには時間がかかる。
もしそれまでに、ドライブ勝負に持ち込まれたら・・・負け続けるしかないのか・・・
不安と戦いながらの練習は、いつまでも続いた。
連休だったこともあり、翌日も練習が行われた。
前日の猛練習がたたったのか、少し疲労の色が見える順平。
「順平、大丈夫か？なんか疲れてるみたいだけど。」
前衛マエストロ、元木が心配そうに声をかける。
「は、はい。これくらいなんてことありません。」
「そうか、なら良いんだが・・・」
元木がコートに入る番が来た。
「順平、お前の悩み、俺が解消してやるよ。」
「えっ？」
意味深な言葉を残し、コートに入る元木。
相手は、順平ペアをコテンパンにした強力なドライブを持ったペア。
元木は順平の悩みを解消すると言ったが、順平はあまり期待していなかった。
確かに、元木のドライブなら、この2人を相手にしても引けはとらないだろう。
しかし、それではドライブに自信がない自分の参考にはならないだろう。
予想通り、ドライブの打ち合いに持ち込む相手ペア。
猛然とそれに応じる元木・・・と思われたが・・・
元木は打ち合いが始まったと思ったらすぐにネット前に落とし、トップ＆バックの体勢に入った。
そして、相手が何とかドライブに持ち込もうと前に出ると大きく後ろに返球。
リズムに乗れない相手は結局、自滅に近い形で負けてしまった。
呆然とそれを見ていた順平に元木は言った。
「相手に付き合うな。自分に付き合わせろ。」
ポイント
まともにやりあって勝てない相手と戦うときに大切なのは「相手に付き合わないこと」。
ここでは、打ち合いになると思ったらすぐに前に落とし、こちらのペースに持ち込むことです。
さらに、相手が前につめてくるようなら、大きな返球でドライブを打つチャンスをつぶすことが重要！
ドライブの打ち合いはテンポが速いため、知らず知らずのうちに巻き込まれてしまいがち。
打ち合いになってからでは手の施しようがないことがほとんどです。
早め、早めの対策を打っていきましょう。
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