あと一歩が届かないフットワークの盲点

フットワーク

バドミントン初心者と上級者で最も違いの出るのがフットワーク。

「一歩目が遅いからシャトルに間に合わない」と悩む者は多い。

彼らは少しでも速く落下点に到達するため、筋力トレーニングと足の使い方に多くの時間を使う。

だが、この練習は本当に問題を解決してくれるのだろうか・・・

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「遅っ!ナメクジの方がまだ速いわ!!」


ミチルの辛辣(しんらつ)な罵声が順平の心に突き刺さる。

厳しいコースに飛んだショートサーブを拾い切れなかった順平。


相手が打ち出すのと同時に飛び出した。

コースもある程度読んでいた。

それでも十分な体勢が作れずにレシーブミス。

あと一歩、あと一瞬出だしが速ければ・・・


フットワークばかりは日々の積み重ね以外に上達する方法はない。

焦らず日々取り組むしかない、それはわかっているのだが・・・


そんなある日の練習でのこと。

この日の練習はダッシュトレーニングから始まった。

短い距離で全力ダッシュを繰り返す、おなじみのトレーニング。


「次、順平とミチル。」


偶然にもミチルと走ることになった順平。

どんなサーブにも余裕で対応するミチルさんだから、ダッシュも速いんだろうな。


ピッ。

ホイッスルと同時にダッシュをかける。

そして数秒後・・・ゴールに先に着いたのは順平だった。


意外な結果に戸惑う順平。

あれ?ミチルさん、今日、調子悪いのかな?


首をひねる順平にミチルが声をかけてきた。

 

「あんまり認めたくないけど、あなた、スタートの反応とダッシュ力はわたしより良いわ。」

「えっ、でも・・・この前遅いって・・・」

「バドミントンと陸上の短距離走は違うわ。」

「!?」


発言の真意がわからない順平にミチルは言った。


「スタートとダッシュは悪くないとしたら・・・悪いのは何でしょうね?」

「スタートとダッシュ・・・あ、ゴールか!!」

ポイント

より速い動き出しとなめらかな足さばきを練習する人はたくさんいます。

また、そのための指導をする指導者はたくさんいます。

しかし、「ストップ」の技術に意識を持っている人はどれだけいるでしょうか?


ストーリーの中でも触れられている通り、バドミントンは陸上の短距離走と違い、速く走って終わりではありません。

スタート・移動ののち、シャトルの落下点でストップし、体勢を整えた上でストロークをするまでが一連の流れです。


どれだけ良いスタートを切っても、減速によるロスのないストップがなければ、余裕を持ってシャトルを打つことはできません。


フットワークで伸び悩んでいる人は、どこに問題があるのか、もう一度振り返ってみましょう。


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