いかにレシーブの時間を減らし、攻撃の時間を増やすかはバドミントンの勝敗に大きく影響する要素だ。
そのためには、前へ前へ出る攻め気のレシーブが欠かせない。
順平もそのことはよくわかっている。
にも関わらず、いつの間にか後方に追い詰められてしまうことが続いていた・・・
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なぜレシーバーは追い詰められてしまうのか
「順平、何押されてるんだよ。」
パートナーを務めてくれた先輩の檄が飛ぶ。
まただ。
いつの間にか後方に追い詰められ、空いたスペースに放り込まれてしまった。
もっと前にポジションを取らないと、パワーが落ちてしまい、打ち負けてしまう。
それはわかっているけれど・・・なぜか後ろにポジションを取ってしまう。
もっと強気でいかなければ・・・そう思っているのに・・・
こっぴどく叱られ、コートを出る順平。
僕の気がもっと強ければ、こんなことにはならないのかな・・・
今日の練習は参加者が少ない。
ずいぶん早くゲーム練習が終わってしまった。
どうやらもう1周りやるようだ。
はー、また怒られるのか・・・
沈む順平。
その肩がチョンチョンとつつかれる。
振り返るとそこにいたのは、レシーブプリンセスこと、優子だった。
「あ、優子さん。今日はもう1ゲームやるみたいですね。」
「わたしと・・・やろう。」
「えっ？それは光栄ですけど、僕、後ろに下がっちゃいますよ。」
弱気な発言をしてしまう順平。
だが、優子は首を横に振った。
「順平くんは・・・悪く、ない。」
そして始まったゲーム。
いつも以上に下がらないよう意識する順平。
だが、ゲームが始まってしまえばそれどころではない。
ゲーム中盤。
忘れていたことを思い出した順平。
あっ、下がらないようにしないと・・・アレ！？
さっきまで気づかなかったが、順平は良いポジションでレシーブをしていた。
返球も力強いし、急に前に落とされても対応できる。
久しぶりの勝利を収めた順平。
自分はいつもと同じプレーをしたつもりだ。
にもかかわらず、優子と組んだときは後ろに下がらなかった。
もしかして、優子さんのプレーが何か関係しているのか！？
もう1度優子のプレーが見たかった。
だが、時計は無情にも練習終了の時間をつけていた。
ポイント
レシーブはバドミントンにおける攻撃への起点。
レシーバーは、どんなに打ち込まれても決して引かず、強い気持ちでのぞまなければなりません。
しかしそう意識していても2人揃って後方に追い込まれてしまうときがあります。
そんな状況が続くようなら、パートナーのポジションに注意してみましょう。
もしかしたら、自分が攻められているとき、パートナーのレシーバーが後ろにポジションを取ってしまい、それに釣られて自分も後ろへ・・・という悪循環が生まれているのかもしれません。
これでは取れる球も取れなくなりますし、取れたとしても力のないレシーブになってしまいます。
こんなことにならないように、パートナーが打ち込まれていたら、必要以上に下がらないように、1歩前にポジションを取ることを意識しましょう。
すると、パートナーは横で「あ、下がり過ぎてるな」と気づくことができるようになります。
小さな事ですが、試合の前にパートナーと共有しておくだけで、下がり過ぎが防止できますよ。
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