ラリーポイント制導入以来、ますます重要視されるバドミントンダブルスのサーブコントロール。
アウトになれば即失点。
入ったとしてもコントロールが甘ければ打ち込まれてしまう。
スランプで悪くなってしまった順平のサーブコントロールは、もとに戻るのだろうか・・・

「ああ、クソ。またか。」
順平はラケットをコートに叩きつけたくなる衝動をようやく抑えた。
苛立ちの原因はサーブのコントロール。
最近になって、あれほど良かったコントロールが乱れだしているのだ。
厳しいコースを突くどころか、同じ所にキッチリ決めることすらままならない。
練習で決まらないものが実際のゲームで決まるはずはない。
ゲーム練習でも、順平のサーブミスによる失点が増えている。
これがスランプというのだろうか。
これまでは、もともとできないことに対して「もっとうまければ」と思っていたが、今回は違う。
それまでできていたことができなくなってしまった。
スランプがこんなに辛いものだとは思わなかった。
散々なサーブ練習を終え、コートを出る順平。
もうこうなってはなるようにしかならない。
練習は継続するけど、あんまり考えすぎるのはやめよう。
そう開き直った。
その日の昼休み。
そんな順平に声をかけるチームメイトがいた。
サーブのクリスこと、クリス花柳だ。
「順平くん、ずいぶん荒れてるじゃないか。」
「あ、わかります?」
「そりゃわかるよ。」
「そうですよね・・・」
わからないことだったら相談もしただろう。
しかし、ちょっと前ならできていたことだ。
これは自分で解決すべき問題だ。
順平はこのことを自分だけで解決しようと決めていた。
「あ、これ。この前ガット買ったときにおまけでもらったんだけど、僕は持ってるし良かったらあげるよ。」
クリスの手にはリストバンドがあった。
礼を言ってさっそくつける順平。
しかし、クリスはそれを制した。
「ああ違う違う。順平くん右利きだろ?右手につけるんだよ。」
「えっ?バドミントンのリストバンドって聞き腕と反対につけるんじゃないんですか?なんか手首使いづらいんですけど。」
「いいからいいから。」
クリスの忠告通り、聞き腕にリストバンドをつける順平。
そしてゲーム練習の時間がやってきた。
どうせ決まらないんだ、あとでまた練習するとして、今は考えすぎないようにしよう。
そう気持ちを切り替え、サーブにのぞむ順平。
すると・・・
「あれ?決まった。」
その後も、狙った所に決まるサーブ。
順平は首をひねった。
「クリスさんの御利益かな・・・」
■■■ポイント■■■
リストバンドをつけるとサーブのコントロールが上がる、というわけではないのはわかりますよね。
では何が変わったのか。
それは、順平くんの手首の使い方。
慣れないリストバンドをつけることで、手首を使わなくなり、打点がぶれなくなったのです。
サーブに慣れ始めた人に多いのが手首を返したサーブ。
たしかに、手首を使うと、少ない腕の振りでシャトルが飛びます。
そのため、ある程度慣れてくるやってしまう人が多いですが、サーブのたびに打点が変わってしまい、コントロールが定まりません。
サーブの基本はあくまでも手首を返さず、腕全体でラケット面を押し出すように打つことです。
最近コントロールが乱れてきたと思ったら、このポイントを見直しましょう。






