ヘアピンをもっと決めるためのポイント

ヘアピン

やればやるほど前衛の奥深さを感じる社会人バドミントンチームの新人 順平。

前衛に必要なプレーはひと通り学んだが、実戦で力を発揮するにはまだまだ経験不足だ。

そんな彼が今日学ぶのは・・・

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前衛マエストロこと、元木の練習を食い入るような目付きで見る順平。

1つでも、少しでも自分のプレーに取り入れようと必死だ。


今、元木がやっているのはヘアピンの練習。

チームにはほかにもヘアピンのうまい選手はたくさんいるが、それでも元木の前では霞んでしまう。


とにかく1歩目の反応が違う。

タッチのスピードが違う。

そして、ネットギリギリを超える芸術的な高さ。

元木のヘアピンの完成度の高さには、いつものことながらため息が出る。


それに引き換え自分のヘアピンは・・・

順平は別の意味でため息をついた

ゲーム練習でも、いつも叩かれてしまうので、あまり使う機会はない。


何が足りないのかはわかっている。

だが、あのスピードを一朝一夕で身につけるのは逆立ちしたって無理だ。

実戦で決められるヘアピンを打てる日なんてくるのだろうか・・・


「ようどうしたい。そんな深刻な顔して。」


ヘアピンの練習を終えた元木がこちらに気づいた。

順平は苦笑いした。


「僕、そんな深刻な顔してました?」

「おうしてたぜ。じーっとこっちみてるし、告白でもされるんじゃないかと心配になったぜ。」

「あはは。」


元木は自分の荷物から、タオルとドリンクを取り出した。

日に焼けた肌に流れる汗が、窓から差し込む太陽でキラキラ光っている。


「僕、ちゃんとヘアピン決められるようになるんでしょうか?」

「ん?まぁ、なるんじゃねぇか?毎日がんばって練習してるし。」

「でも、あんな速いヘアピンいつになったら打てるのかと思うと・・・」

「まぁ経験も必要になるからな。」

「そうですよね・・・」


順平はまたため息をついた。

その様子に元木はちょっと間をあけてから話を続けた。


「まぁスピードのあるヘアピンを打つのは時間がかかるだろうが、もう少しカンタンなコツもあるぞ。」

「えっ?そうなんですか?ぜひ教えてください。」

「お前が打つヘアピンって、軌道の頂点がちょうどネットの白帯の真上にくるだろ?お前だけじゃない。スピードや高さの差はあれ、一般的なヘアピンは大抵そうだ。」

「そうですね。」

「相手の前衛もそれに慣れてる。だから打ち込まれる。そうだよな?」

「はい。」

「そこで一工夫するのさ。たとえば軌道の頂点をネットよりこちらにもってくればどうだろう?」

「軌道の頂点を?」

「シャトルはネットを超える前から落ちる軌道を描く。相手は慣れていない。これならスピードや高さは同じでもヘアピンに変化をつけられるだろ?」

ポイント

いかに速いタッチをとるか。

そして、いかにネットぎりぎりの軌道をとれるか。

良いヘアピンの条件としていつも言われることです。


しかしこんなヘアピンを打つにはそれなりの練習と、相手の返球を読む経験が必要になってきます。

もちろん理想のヘアピンを打つため、日々の練習を継続するのは大事です。

でも、少し工夫すれば今からでも効果的なヘアピンを打つことはできます。


これはヘアピンのみならず、バドミントン全体に言えることです。

基本はもちろん大切ですが、あえてそれを自分なりにアレンジし工夫するのもプレーを広げる重要な要素の1つなのです。


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