バドミントンダブルス スマッシュのコツ

スマッシュ

チームに見慣れない先輩 大垣がやってきた。

顔合わせを兼ねて彼とのゲームをすることになった新人メンバー順平。

順平はそこで思いがけないものを見ることになる。

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少しずつ後衛の練習を始めた順平。

ダブルスの後衛といえば、バドミントンの花形プレー「スマッシュ」だ。

今はネットに引っ掛けてしまったり、飛び過ぎてアウトになってしまったりで、なかなかうまくいかない。

でも、力いっぱいシャトルを打つのはやっぱり気持ちが良い。


そんなある日、体育館に顔を出すと、いつものメンバーに混ざって見慣れない顔があった。

話を聞くと、長期出張から戻ったメンバーで、大垣と言うのだそうだ。


「君が順平君?僕が留守の間に入ったんだってね?」

「よろしくお願いします、大垣さん。」

「うん、よろしく哀愁。」

「へっ!?」

「いやだなぁ、ダジャレだよ。ほら、笑って笑って。」

「は、はぁ・・・。」


微妙な顔合わせになってしまったが、とにかく気をとりなおしてゲーム練習をすることになった。

今日こそ1本スマッシュを決めてやる!

気合を入れなおしてコートに入る順平。


試合が始まってすぐ、順平は驚いた。

相手コートでは大垣が後衛に回っている。


あとで知ったことだが、大垣は身長が155cmしかない。

腕も細く、腕力が強いようにも見えない。


「くるぞ!」


誰かが叫んだ。

順平が打ったのは、決して甘い返球ではなかった。

だが、大垣はすでにシャトルの下にポジションをとり、攻撃態勢に入っている。


順平は目を見開いた。

自分より20cm以上小さいはずの大垣が、大きく見えた。


しっかりと伸びた腕。

理想的な高い打点。

全身の力と体重が、しっかりとシャトルに乗っているのが遠くから見てもわかる。

その完璧なフォームに、順平は野生動物のような美しさを感じた。


そして次の瞬間。

順平ペアの間に大垣のスマッシュが深々と突き刺さった。

まったく反応できなかった。

それを見て、得意げな顔でペアとハイタッチを決める大垣。


試合が終わってから、大垣がチーム内で「後衛のスペシャリスト」「小さな巨人」と呼ばれていることを聞かされる順平。


そして練習終了後、順平は大垣に握手を求めた。


「大垣さん、すごいスマッシュで感動しました。あのダイナミックなフォームはさすが小さな巨人です。」

「いやいや、照れちゃうなぁ~。背は小さくても大垣です!な~んちゃって。ナッハッハッハッハ・・・」

「・・・」


プレー中と今、その激しすぎるギャップに戸惑いを隠せない順平であった。

ポイント

バドミントンダブルスの後衛は、後方からの攻撃がメイン。

そういった意味で、身長が高く腕力のあるプレーヤーは後衛の素質があると言えます。

しかし、それはあくまでも向いているというだけの話。

たとえ身長がなくても、効果的なスマッシュを打つことはできます。

ストーリーに登場した大垣は、身長も腕力もありません。

しかし、シャトルの落下点に素早く入り、全身のバネが使える一番打ちやすいポジションを確保することで、角度のあるスマッシュを打っています。

また、打ちやすいポジションでシャトルが打てれば、結果的にスイングスピードが上がるため、威力も増します。

身長も腕力も、ただの素質に過ぎません。

それを活かせなければ意味がないのです。


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