やるべきことに集中するためのポイント

練習

環境が変わると、やりたいこと、やるべきことがたくさん出てきます。

ワクワクしますか?

それとも憂鬱ですか?

・・・ただ、水をさすようですが、ファイトを燃やせば燃やすほど、できないことが増えていくってご存知ですか?

それではストーリーをどうぞ。

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バドミントン部顧問の岡崎は、新学期の準備に追われていた。

入学式の準備、時間割の編成、などやることは山のようにある。


午前中の仕事にめどをつけ、体育館に顔を出した岡崎。

春休みだというのに、運動系の部員たちは、ほとんどが登校している。

もちろん、バドミントン部もだ。


声をかけてくる部員たちにあいさつを返しつつ、ひとりひとりの話を聞いていく。

迷うことなく自分の課題に取り組むものもいれば、スランプに苦しんでいるものもいる。


そうして、10人ほど声をかけた頃、他とは少し違った悩みを持っている部員が現れた。

2年の石川である。


話を聞くと、やることが多すぎて、集中できないのだという。

先輩のアドバイスで優先順位をつけてみたものの、どうしても先のことが気になってしまうのだそうだ。


「ははは。気の多い石川らしいな。」

「先生、笑い事じゃないですよ。本当に困っているんです!」

「すまんすまん。」


岡崎は石川が「やることリスト」と名づけた、やることの一覧を見ながら頷いた。

そして、いきなりそのリストを猛烈な勢いで破りだした。

驚いたのは石川だ。


「ちょっ、先生、何するんですか?」

「このリストを見たら集中できないんだろ?だったら要らないじゃないか。」

「いや、だって・・・」


まだ納得できない、といった表情の石川に、岡崎は話を続けた。


「リストを消しこんでいくのは確かに気持ちが良いけれど、あまり頼りすぎると逆に混乱するぞ。」

「・・・じゃあどうすれば?」

「まず、その日の練習に持ってくるリストは、その日にやることだけ書くこと。それから・・・」

「それから?」

「今日やることと同じくらい、今日やらないことを強く意識することだ。」

ポイント

やるべきこと、やりたいことは、限りなく増えていきます。

そして、いつの間にか優先順位のつけ直しが追いつかなくなります。

また、1度見てしまったものは、たとえ優先順位が低くても、常に頭に残り、足を引っ張ります。


複雑な形を描くときは、被写体そのものよりも、その輪郭を意識して描くとカンタンに描けます。

同じように、それまで決められなかったことが、消去法を使うとすんなり決められた。

そんな経験、ありませんか?


「指導=コーチ」とは、「新しいことを教える=増やすこと」が重視されがちです。

しかし、それと同時に余計なものを見せない、1点に集中できる環境を作るというのも、同じくらい大切なことなのです。


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